懐かしの丸型郵便ポスト、郵便物大型化に押され角型に 岡山県内ポスト全体の3%たらずも現存する理由とは?

山陽新聞社 山陽新聞社
岡山市中心部の百貨店・天満屋岡山店6階にある丸型の湯便ポスト
岡山市中心部の百貨店・天満屋岡山店6階にある丸型の湯便ポスト

 かつては普通にあった赤い丸型の郵便ポスト。中高年世代ではなじみの人もいると思うが、最近はほとんど目にすることはなく、四角い角型ポストが幅をきかせている。レトロなたたずまいが印象的な丸型はどうなっているのか。現状を探ると、岡山市内では8基しか残っていないことが分かった。

 丸型ポストは円筒形で、全面が真っ赤に塗られている。投函(とうかん)口の上にある雨よけが帽子のつばのような形状で、何とも味わい深い。日本郵便中国支社(広島市)によると、県内では109基あり、ポスト全体の2・8%になる。岡山市は北区に6基、南区と東区に各1基あるようだ。

 天満屋岡山店(同市北区表町)の6階葦川(いせん)会館前にあるのは、まさに丸型。場所柄、最も多くの市民が目にする希少な存在だろう。同店は「昔からあったのだが、設置時期は分からない」とする。

 丸型の歴史は、郵政博物館(東京)が教えてくれた。1901(明治34)年に原型が誕生。目立つように赤く塗られ、形状は英国などの先行例を参考にしたと推測される。全国で導入が進んだが、51(昭和26)年に登場した四角い角型が収集しやすいなどの理由で普及した影響で、70年に製造が中止された。また、A4サイズ以上が投函できず、83年ごろには郵便物の大型化に伴って問題視され始め、交換が進んだと考えられるという。

 そうした状況でも丸型が残っているのは、「設置場所の所有者や地域が角型への交換を断ったことがあるため」と岡山中央郵便局。丸型がすぐそばにある板野酒造本店(同大井)では珍しさもあって写真を撮る人もいるといい、板野桂子取締役は「ポストは景観にマッチしている。このままがいいですね」と話していた。

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