企業の「借金王」ランキング 3位本田技研、2位ソフトバンクグループ…有利子負債額が25兆円を超す1位は?

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日本で一番多くの「借金」をしている企業はどこなのか、みなさんご存知ですか? 企業の与信管理にかかわるサービスを提供しているリスクモンスター株式会社が、このほど「借金王ランキング」を発表。1位は有利子負債額25兆6596億円の「トヨタ自動車」でした。また、「ソフトバンクグループ」(有利子負債額18兆5130億円)が2位、「本田技研工業」(同7兆7210億円)が3位となったそうです。

2021年6月2日時点で開示されていた2020年4月期決算以降の最新決算について、金融機関を除く決算短信提出企業3151社を対象に行われた調査です。

有利子負債額のランキングについて、上位20社の業種としては、自動車製造業、物品賃貸業、通信業、各種商品卸売業、電気小売業が3社ずつランクインしました。特に自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつランクインしており、有利子負債の多さが目立つ結果となったといいます。

また、上位20社において売上規模と有利子負債を比較したところ、上位20社のうち12社が「年商以上の有利子負債を有する」結果となりました。調査した同社は「上位企業には装置産業が多く、設備投資に要する借入金がかさみやすいことが要因といえます」と説明しています。

なお、有利子負債上位20社の「現預金」「借入依存度」「自己資本比率」について分析したところ、現預金では「トヨタ自動車」「ソフトバンクグループ」「楽天グループ」「本田技研工業」「日産自動車」が上位となり、上位20社中9社が1兆円超の手元資金を有していることがわかりました。

また、上場企業全体の収益力をみるため、財務分析上の指標のひとつ「EBITDA(営業利益と減価償却費を足したもの)」を集計したところ、ランキング1位は「トヨタ自動車」となり、「日本電信電話」が2位、「ソフトバンクグループ」が3位と続きました。有利子負債企業ランキング上位企業と、EBITDAランキングを比較したところ、11社が両方にランクインしていたといいます。

調査結果について同社は「無計画な借金は倒産リスクの上昇につながることから、綿密な事業計画のもとで、計画的な資金調達を行うことが重要です。その観点では、本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの、安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点で、借金を上手に運用している企業といえます」と分析。

「上場企業だけでなく中小企業にとっても、資金調達の方法・金額・タイミングは極めて重要な経営判断です。各企業が倒産リスクを見極め、適切な借入によって安全性と企業価値を高めることで、停滞した日本経済を活性化することに期待しています」と述べています。

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