「お金って、カードに勝手に入ってくるんでしょ?」現金を知らない子どもたちの金銭教育は「カード」で? FPが勧める理由

コノコト コノコト

「お金って、そのカードに勝手に入ってくるのだよね」。クレジットカードが、〝魔法のカード〟に見えている子どもたちが増えている…? こんなときは、お金の正しい価値を伝えようと、躍起になって現金に触れさせようとしてしまいがちですが、いっそのこと、あのカードを使ってお小遣いを渡すのも一つの手。キャッシュレス時代の本格的な突入を前に、子どもの金銭教育について取材しました。

 キャッシュレス決済 韓国では9割超

キャッシュレス決済には、クレジットカード、デビットカード、電子マネーやプリペイドカード、スマホ決済などがあます。キャッシュレス化は世界的な流れで、韓国のキャッシュレス決済比率は9割を超えています。一方、日本では急速に普及はしているものの、経済産業省によると、2020年は29.7%。政府は2025年までに、支払いの4割程度をキャッシュレス決済に、将来的には8割を目指す方針を掲げています。

お金の教育は、早ければ早いほどいい

「子どもたちには、今のうちからキャッシュレス決済の数字とお金が連動していることを体験させ、お金の価値を正しく理解できるよう教えていかなければいけません」。こう話すのは、お金のプロ、ファイナンシャルプランナー(FP)の丹羽誠さん(富山市)です。富山県金融広報委員会の金融広報アドバイザーとして、キャッシュレス化をテーマにした講座を担当しています。

丹羽さんは「お金の教育は、早ければ早いほどいい」とし、小学生になったらすぐに始めることをすすめます。その方法として提案するのが、プリペイドカードを使ったお小遣いです。プリペイドカードとは、事前にチャージ(入金)し、店の読み取り機にタッチして支払う決済方法で、「楽天Edy」や交通系ICカード「Suica」でも知られています。

カードを使ったら親に通知

中でも丹羽さんがおすすめするのは、三井住友カードのVisaプリペイドカード「かぞくのおさいふ」です。6歳以上(小学生以上)から使用でき、子どもがカードを使ったら親にメールが届き、ウェブサイトで購入した店や金額、残高を知ることができるので安心です。アプリもあり、より便利に利用できます。

また、月の利用上限金額を設定したり、インターネットでの買い物や海外サイトの利用を制限したりすることもできます。

「JCBプレモカード」もインターネットなどでチャージし、店やインターネットでの買い物に利用できます。子どもから大人まで持つことが可能です。

またスマホ決済でお小遣いを渡す方法もあります。「PayPay」なら、銀行口座やクレジットカードの情報を登録しなくても、セブン銀行、ローソン銀行のATMでチャージができます。さらに、親のスマホに登録しているPayPayの残高から、子どもに送金することができます。

金額は親子で相談 習い事や趣向を考慮する

丹羽さんは、年齢に応じたお小遣いの額と使い方についても提案しています。

小学校低学年の子どもの場合、例えば、千円をチャージしたプリペイドカードを渡し、1カ月分のお菓子やジュース代としてやりくりさせてみましょう。中学生になると、身の回りの物を購入するかどうかの判断を子どもにどんどん任せていきます。 例えば、1万円分をプリペイドカードにチャージして渡し、1カ月間、学校の部活動で必要になる道具や参考書、友人へのプレゼント代、おやつ代などをまかなわせます。

 高校生になると、高価な物を欲しがる場合もあるでしょう。そのときは、お金を貸すことも検討してみてください。注意すべき点は「子どもが欲しがっている物が、親がお金を貸してまで買うに値するか見極めること」。子どもにプレゼンをさせるのも一つの手です。

 

ただし、習い事の数や趣向など、子どもによって事情は異なるため「金額を決めるときは、親子でしっかり話し合ってほしい」と丹羽さんは話します。

 どんどん進むキャッシュレス化。子どもの頃から少しずつ慣れておくことが、大人になったときのトラブル回避につながりそうです。

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