ビリギャル作者が語る 夏休み絶対に言ってはいけない子どもへの超NGワード

杉田 康人 杉田 康人

100万部を超える大ベストセラーになった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の著者で、子別指導塾「坪田塾」塾長の坪田信貴さんが子育て本、「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない(SB新書)を7月6日に出版し、発売後すぐに増刷される売れ行きをみせている。

坪田塾では、心理学を駆使した学習法で生徒の偏差値をビリギャルのように上げてきた。保護者などから相談があった実例をもとに、厳選した「子どもを伸ばす声かけ」28例が一冊に。表題にもなった「人に迷惑をかけるな」という言葉を、子どもにかけていけないのはなぜか?大阪市内で取材に応じた坪田さんに、夏休みに言ってはいけない子どもへのNGワードも聞いてみました。

坪田さんは「人に迷惑をかけるな」という声かけが、呪いの言葉になっていると強調する。「シンプルに言うと無理だからです。無理なことをやれってことだから、自己肯定感をとにかく下げる言葉なんですよ。失敗するなって言葉と同義語じゃないですか。失敗が許されなくなり、チャレンジができなくなる。子どもがどんどん消極的になる」と説明した。

迷惑をかけるのはお互いさまとし「困っている人がいたら助けよう」という言葉への言い換えを提唱。子どもの可能性を奪う声かけではなく、可能性を開くものに変えていこうと訴える。

AI化やグローバル化する社会の急激な変化に「これからの子どもたちは、前例をどんどん突破していかない限りは、シュリンク(縮小)する世の中と同時にシュリンクしてしまう」と指摘。「そこをどう問題提起できるかという時に『人に迷惑をかけるな』という言葉より『困っている人を助けよう』ということのほうが大事なんじゃないのって言いたかったってことですよね」と振り返った。

坪田さんは、夏休みに言ってはいけない子どもへのNGワードとして「宿題くらいやりなさい」という言葉を挙げる。小学生時代、親に何度も言われた経験がある人も多いと思うが…。

「本当にNGワードで。宿題くらいって言ってる時点で、価値がないって言ってるからなんですよ。価値がないことをやれって言うことで、人が前向きになったりやる気になるわけがないので。しかも何度何度も言われると本当にこれは意味がないことをやっているんだなって気持ちになるじゃないですか」と解説した。

宿題しなさい、という声かけも微妙だという。「上司が『あなたは今、何の仕事をやっているかよくわかんないけど、とにかく頑張れ』って言っているのと同じ。何もわかってないくせに、指示だけしてくる上司って最悪だと思うんですよね」と例えを引く。

「中身はわからなくていいけど、せめていまどういう宿題があって何ページあって、どういう分量で何が必要でどういうことが求められているのかチェックはできる。その上で『きょうはこの宿題の1~3ページまでやりましょう』ということを具体的に言えばいい」とアドバイスした。

2児の父親で、親だって不完全だという坪田さん。「『お互い、これから一歩一歩進んで行こうね』。親だけでない、子どもだけでもない。しかも、今までじゃない。これからっていうのが大事なのかなって思います」と、子育てに奮闘するパパママが少しラクになるメッセージを送った。

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