コロナ禍で300万本の花が癒やし 感染対策徹底の「となみチューリップフェア」今年限りの見どころも

北日本新聞 北日本新聞

 国内最大級の花の祭典「第70回となみチューリップフェア」(北日本新聞社後援)が、富山県砺波市の砺波チューリップ公園をメイン会場に開かれている。昨年はコロナ禍で初の中止となり、2年ぶりの開催となった。見どころは今年限定となる新旧2本のチューリップタワーの共演だ。「密」を避けた感染対策の徹底が図られ、色とりどりの300品種300万本の花がコロナ禍での癒やしを与えてくれる。フェアは5月5日まで。

 フェア開幕の4月22日。富山の上空を初めて、航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」が舞った。フェア70年の節目に地元・砺波市などが展示飛行を要請。ブルーインパルスの飛行は昨年5月以来で約1年ぶり。6機が「サクラ」「ハート」の模様を青空に描き、上空から花を添えた。

最初で最後の光景

 会場は甘い香りが漂い、思い思いに花を楽しむ人の姿が見られた。公園のシンボルであるチューリップタワーは1971年の建設から老朽化が進み、今年高さ26メートルの新しいタワーが建設された。旧タワーは6月に取り壊されるため、新旧タワーがそろい踏みする風景は今年が最初で最後となる。

 その新タワーに登ると、眼下には、14品種21万本の花で「70」の文字を浮かび上がらせた大花壇が一望できる。延長138メートルあるチューリップスカイウオーク(展望園路)も新たなビュースポットだ。5万本のチューリップで高さ4メートル、長さ30メートルの回廊を作った立山黒部アルペンルートの「雪の大谷」ならぬ「花の大谷」、水上花壇なども毎年人気を集めている。

 例年なら、大勢の人でにぎわうフェア会場も、今年はコロナ禍で状況が一変している。屋外のオープンエアな環境とはいえ、国の緊急事態宣言や富山県独自の警戒レベル「富山アラート」がステージ2に引き上げられる中、想定以上の感染対策が講じられている。

スマホも活用し感染対策

 感染対策のポイントは「時間と空間の密を避ける」ことだ。今年は初めて、日時を指定した入場券を販売している。1時間の最大入場者を4000人に設定し、それ以上は発券しない。1日を時間帯で7区分するため、最大でも28000人しか入場できないことになる。入場券をネットで事前購入すれば、QRコードがスマホに送られ、入場門でQRコードをかざせば、非接触で入場することも可能だ。

 さらに、人気スポットに人が集中するのを避けるため、新旧タワーと「花の大谷」の展示場所を離すなど会場の大幅なレイアウト変更を行った。会場全体を広く使い、入場者の回遊性を高めて「密」を避けている。

 入場前は、名前や住所、電話番号を書く「来場者カード」の記入がマスト。マスク着用や検温、手指の消毒はもちろん、飲食は指定場所のみ可能で、歩きながらの飲食は原則禁止。タワーに上がる順番待ちの列ができるなど「密」な場面を発見した場合、職員がプラカードを持って距離を保つことを呼び掛ける場面もあるという。

人気イベントの中止も

 砺波市によると、今のところ、入場者の協力や理解もあって、感染対策で大きな混乱は生じていない。だが、5月1日に予定していた記念イベントのうち、市出身の人気ユーチューバー、「はじめしゃちょー」さんのトークショーや大阪桐蔭高校吹奏楽部の演奏会は中止となった。全国から人が殺到すれば、来場者や出演者の安全が確保できないと判断したためだ。

 フェアは例年、期間中に30万人以上が訪れる。今年は首都圏やインバウンドの観光客は見込めず、市も「数を求めるのではなく、入場者の安全・安心が第一。無事に15日間完走できることが成功だ」としている。

 コロナ禍で全国の自治体が、大規模イベントの中止や縮小を余儀なくされている。「となみチューリップフェア」の開催は、コロナ禍におけるイベント運営の試金石となりそうだ。フェアを訪れる際はできる限りの感染対策を取り、ルールやマナーを守って楽しみたい。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース