町の返礼品になった焼き肉のタレは夫との思い出の味 「作るとつながっている気持ちになる」

京都新聞社 京都新聞社

 京都府京丹波町本庄のJR和知駅前でかつて精肉店を営んでいた女性が、17年前に店を閉めてからも焼き肉のタレを作り続けている。亡くなった夫と店を切り盛りしていた日々を懐かしみ、長年地域に親しまれてきた味を1人で守る。

 竹村加代子さん(77)=京丹波町本庄。1965年に夫の則行さんと結婚し、家業の精肉店「よろづや」に2人で立った。駅前商店街の肉屋として繁盛したが、各地に大型スーパーができたことで買い物客が徐々に遠ざかり、2004年に店を閉めた。

 「よろづや特製のタレ」は生ニンニクをミキサーにかけ、しょうゆやみりんなど10種類の調味料を合わせてつくる。ニンニクの効いた甘辛い風味が肉と絡み、食欲をそそる。30年前に夫の兄から教わったレシピで手作りしており、精肉店の店頭で販売していた頃から、長年地域に親しまれてきた。

 二人三脚で店を営んでいた則行さんは7年前に他界。それでも、「タレを作っていると夫とつながっている気持ちになれる」と自慢の味を今も作り続けている。このほど町のふるさと納税の返礼品にも選ばれ、「タレ作りが生きがいになっている」とほほ笑む。

 1本450円。JR和知駅舎内の喫茶店「山ゆり」などで販売している。

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