カタカナ7文字で「家にいながら買い物するとき使うもの」なーんだ? 8歳児の“自信満々の解答”に議論沸騰

竹内 章 竹内 章

小学生向けの問題です。「さい近ではあるものをり用し,家にいたままで買い物ができるようになりました。何をり用していますか。カタカナ7字で書きましょう。」。いろんな答えが考えられるこの問題、皆さんの頭に浮かんだ7文字は? 

大学教員のちくわぶ(@yakizakana_)さんがツイッターに投稿した画像は、この問題と解答欄に子どもらしき筆跡で書かれた「ウーバーイーツ」。正解か否か、ツイート本文を見ると、残念ながら答えは「インターネット」でした。このツイートに「なんでインターネットが正解なの?」「(ウーバーイーツで)大正解だと思います!」「はなまる」「解答がかわいいけど、これ社会学的にも深い」などとユーザーが反応し、20万近いいいねが付きました。 

インターネットが一般化したのは1990年代半ば。四半世紀たった今、ネットは生活に欠かせないツール、いやインフラといえます。デジタルネィティブの世代には、その存在自体が当たり前過ぎて、日常であえて意識することはないでしょう。問題にあるように「さい近」の「り用」ならば、サービスそのものを尋ねた問題と受け止めてもおかしくありません。

ユーザーもそう考えたのでしょうか、ネットショップ、ネットスーパー、スマートフォンなど、新たな視点からさまざまな答えが提案されました。さらにヨドバシカメラ、ラクテンイチバ、クロネコヤマト、アマゾン.コムと大喜利風の解答も続出。一部カタカナでないものありますが、なるほど7文字です!

 「ウーバーイーツ」と書いたのは、ちくわぶさんの長女(8歳)。学童保育用に持参した家庭学習用ドリルのとある問題で、本人さんは「絶対に合っている!」と自信満々で記入したそうです。「実は私もわかりませんでした」と話すちくわぶさんに聞きました。

 ―投稿したのはなぜですか。

「固有名詞を記した娘の答えは現代的で面白く、かつ、どのようにも答えられる設問の隙をついたところに機微を感じて投稿しました。私自身も正解とされるインターネットに違和感があったので」

―自信満々の答えが間違いと知ってさぞ…。

「娘は間違えたことを恥じていました。誰にも言わないで、と泣きべそをかいていたのですが、こっそり投稿してしまいました」

―えーっ、でもUber Eats Japanは「100点満点中の200点です!」「ご本人様に素晴らし解答だと伝わりますように」と粋なリプライを投稿していました。

「多くの方から励ましの言葉をもらい、それを知らせたところ、とても励まされたようでした」

 ―よかった…。リプ欄や引用ツイートを見ていると、いろんな答えを導き出せる設問に正解を一つに絞るのは無粋でもったいないですね。

「これはディスカッションしながら、たくさんの答えを見つけていくことに意義のある設問かと思います。悪問とせずに、アイデアを出し合うことを楽しめるような教育に結び付けばいいのでは、と思っています。一方で、一つの答え以外は認めないということになると民主的ではなくなる恐れがあるので、そのようなことを教育者は避けて欲しいと思っております」

「正しいことは権威側の考えで決めるのではなく、合理的な議論を経て決まるものであるということ、そしてそれは1つではないかもしれないということはあるべき教育の形です。今回のツイートは全くの偶然ですが、そのことを認識するとてもよい体験になりました」とちくわぶさん。ツイートが拡散したことやさまざまな反応を、長女さんは「答えに書いてなくても、まちがっているわけじゃないんだね!」と話していたそうです。

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