実は数多く存在した「小1の壁」 宿題・平日の行事・友人関係どう乗り越えた?先輩ママに聞いた

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いよいよ小学校入学。そんなとき、ワーママたちに立ちはだかるのが「小1の壁」。小学生になると子供を夜まで預ける場所がなくなるため、働き続けるのが難しくなる状況を一般的には指しますが、ワーママたちの声を聞いてみると、「小1の壁」にはもっともっと多くの種類があるようです。宿題チェック、平日の行事、友人関係など…先輩ママたちがどう乗り越えてきたのか聞いてみました。

時短終了なのに学童保育の壁…その対策どうした?

「小1の壁」とは小学校入学後に子供を夜遅くまで預ける場所がなくなり、それが原因でワーママが働き方を変更せざるを得なかったり、退職を選んだりせざるを得ない状況をさす造語です。保育園では、遅い時間(園によって規定あり)まで延長保育があり、ワーママたちが仕事を終えるまで預かってくれていましたが、小学校に入学するとワーママたちの時短制度が終わる企業が多い一方で、公的な放課後児童クラブ(学童保育)では放課後の延長保育がなかったり、あっても時間が短くなり子供を預ける場所がなくなります。また、なかには利用者が多いため学童保育自体を利用できない家庭もいる状況。そのため、働くママたちの働き方に支障がでてくるのです。

ワーママたちはこの学童保育の利用時間による「小1の壁」をどのように対策したのでしょうか。また、秋冬になると学童終了後の帰宅時には外は真っ暗!親としては心配ですね。でも退社時間は変更しようがない…このあたりについても対策を聞いてみました。

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▽子供に鍵とキッズ携帯を持たせた

当時は出版社で働いており時短勤務が終了していたのでフルタイム勤務、平均退社時間は18時、お迎えは延長保育で19:30近くでした。
保育園は19:30まで延長で見てもらえますが、学童は最大18:30まで。この退社時間と子どもの帰宅時間の差をどうするかを考えました。

子どもが入学してすぐの数週間はお迎えに行っていたので、仕事をなるべく早く切り上げ、17時過ぎには同僚の視線に後ろめたさを感じながら退社の日々。その後は子どもに鍵とキッズ携帯(携帯は学校で禁止だったのですが、安全第一! ランドセルの底に忍ばせました)を持たせ、私が帰宅する19時過ぎまで1人でお留守番。

最初はお留守番なんて物騒だしかわいそうだと思いましたが、ほんの1時間弱のことだし、子どもは意外に羽を伸ばせて1人を満喫していたようです(笑)。1年生ともなると、親が思うより子どもはしっかり成長しているもの。「親の心配、子知らず」かも。(Tさん、42歳、子ども11歳、8歳、1歳)

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▽学童終了後は近所の祖母宅へ帰宅!

学童の終了が18時半でした。私はフルタイムで退社時間が19時、そこから自宅まで帰ると家につくのが20時。さすがにお留守番は難しいので、学童終了後は近所の祖母宅へ直接帰宅してもらうことに。どうしても祖母がいない日は、ママ友宅に一瞬お世話になったりしていましたね。私が会社帰りに子供を預かってもらっているお宅に迎えにいき一緒に帰るといった感じでしのいでいます。(Aさん、36歳、子供7歳)

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▽冬は外が真っ暗!学童からの帰り道は仲間と一緒に!

学童からの帰宅時間は18:30なのですが、8月の終わりから、すでに暗くなるのが早く、子どもが学童から帰るころは、真っ暗状態。同じ時間に帰る子の中に、唯一方向が同じで、家の前を通って帰る子がいるんです。

その子はママが学童までお迎えに行っているので、申し訳ないけど便乗して送ってもらっている形に。その友達がたまーに18:00に早帰りの日があるのですが、その日もうちも帰宅時間を早めて便乗して18:00帰り(笑)。もう1人くらい、帰り道仲間が増えないかな、と思っています。〔Sさん、子ども7歳、4歳〕

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…近所に祖父母が住んでいるというかたはお願いする手がありますが、そうではない家庭のほうが多いのではないでしょうか。ママ友に毎回お願いするのも気がひけますよね。なかには平日を習い事で埋めたり、民間の学童保育に入ったりする家庭もあるようです。いずれにしても費用がとてもかかりそうですが…。

宿題チェックや平日行事の壁…どう乗り越えた? 

ワーママが「小1の壁」と感じているのは学童保育だけではありません。保育園にはなかったものが次々とワーママの課題になっていきます。

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▽行事が平日!保護者会は順番に出席

小学校は保護者会も面談ももちろん平日。ときには学校公開(=昔で言う授業参観)も平日。保護者会は学期に2回ずつ、面談は年に1回、学校公開は学期に1回ずつ=トータルで10日は休まねばならない!有休が取りにくい職場にいる私にとって、「行事がほとんど平日」これが最大の壁でした。

そこで、保護者会は基本出欠自由なので、クラス内のワーママと話し合い、順番で保護者会に出ることに。出られない保護者会に関しては、ワーママネットワーク(笑)を作って、出た人に情報を流してもらいました。〔Wさん、金融業、38歳、子ども12歳、9歳〕

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▽宿題・勉強に付き合わねばならない!

保育園は帰ったらとりあえず遊ばせておくかテレビを見せておけば良かったけど、小学校はもれなく毎日「宿題」があります。「学童でやってきなさい」と言っていたのですが、どうしてもお友だちと遊んでしまい、宿題どころではないそうです。帰宅後なかなか自分から進んでやるくせも付かずグズグズするし、分からないところをちょこちょこ聞いてくるので、家事が進まない。保育園時代はなかったそのストレスとイライラが私の「壁」でした。

悩んだ末、欲しがっていた3DSを購入(誕生日でも何でもないのに)、「DSをやりたかったら、学童から帰ってすぐ宿題をしろ」という強硬手段に出ました(笑)。モノで釣るのはどうかと思いましたが、この方法により進んで宿題をするクセもつき、私のイライラも減りました。〔Tさん、事務職、40歳、子ども9歳〕

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▽PTAへの参加は低学年のうちに!

小学校に上がる前に、先輩ママからさんざん聞かされていたPTA事情。幸い我が子の小学校は「できる人でやりましょう」という雰囲気だったのですが、それが逆に「申し訳ない」というプレッシャーに。

そこで1年で同じクラスになった、保育園が同じだった1人のワーママと示し合わせ、2人で「学代」という役職につきました。学校によっても違いますが、「学代」の主な仕事はPTAで決まったことを必要に応じてクラスの保護者に伝えること。1カ月に1回、平日に定例会議がありましたが、交代で出てもいいし、2人とも出られないときは「委任状」を出せば欠席OK。クラスに配布する書類はデータとひな形があったので、家や職場(!)でちょちょいとできました。お互い働いていたので、気を遣わず済みましたし、1年生のうちにパッとやってしまってよかったと思っています。

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…保育園って、手厚いですよね、ってコメントみて思ってしまいますね。とはいえ、みなさん何とか対策を考えて乗り越えています。

慣れてきたからこそ!…子供の「友達関係」の壁

ワーママの時間やスケジュール調整が必要になる上記のような壁とは違い、小学校に慣れてきたからこそ起きてくる子供たちの「友人関係」。これで悩まされるママもいるようです。

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▽勝手に約束、行方不明事件発生!?

仲良くなった違うクラスの子に、1学期中から「家に遊びにおいでよ」と誘われていたようです。それでも、断ってまっすぐ学童に行っていたのですが…2学期のある日、ついに学童の先生から「息子さんが来ていないのですが、今日はお休みでしたっけ?」と連絡が。学校や学童の先生も探してくれたようですが、私も焦って会社を早退、ママ友や同じクラスの子に電話をかけまくりましたが行方が分からず。これは警察沙汰か?!と思い始めたとき、呑気に「ただいま~」と帰ってきました。

どうやら、「その子の家で仮面ライダーのベルトを見せてもらう約束をしたの。見たらすぐ学童に行こうと思ったら、楽しくて遊んじゃった」そうです。もう、怒りを通り越して呆れましたね。先生方にも平謝り。どれだけ心配したかを子供に説明をしました。それからも何度か誘われて心動いたようですが、なんとか思いとどまることができるように(笑)。私はしばらく毎日ヒヤヒヤものでした。〔Kさん、子ども14歳、11歳、8歳〕

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▽1年生なのに「学童辞めたい」

1学期はみんな生活に慣れるのに必死、学童もそんな感じだったようです。しかし、2学期になるとだいぶ慣れてきて、友達同士派閥のようなものができてしまったんです。娘が保育園から仲良かった子が、別のグループになってしまったようで…「ぜんぜん一緒に遊べないし、楽しくないから学童行かない!」と言い出しました。

正直、かなり焦りました!他に預け先なんてないし、まだ1年生に放課後ずっと留守番させるわけにもいかない。すぐに学童の先生に相談し、「特にいじめられているとかではないし、しばらく誰か必ず大人が入って見るようにする」という対応をしていただきました。

2学期中は、娘もなんとなくグダグダ言っていましたが、3学期くらいからグループが少しずつバラけてきて、また楽しく遊べるようになったので、安心しました。〔Aさん、子ども12歳、8歳〕

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…あわや警察沙汰はかなりびっくりなケースですね。でも、子どもはついつい楽しいほうに流れてしまい、連絡を忘れる生き物なのです。

小学生にもなれば学校だけでなく、学童の中でもいろいろな人間関係ができてくる時期。先生と相談しつつ、じっくり見守ってあげるのがいいようです。

壁がいつまでも続くわけではない

いかがでしたか。保育園に比べ、小学校に上がると今までなかった事柄が増え子供に割く時間も多くなります。初めての壁にぶつかり「どうしよう」と心配になることもあるかと思います。友だち関係も複雑になるし、宿題も徐々に難しく多くなってきます。保護者会やPTAで頭を悩ませることも。

でもだからこそ、各家庭にあった方法を考え、ワーママ自身が苦しくならないように家事や育児は上手に手を抜いたり工夫してほしいなと思います。「壁」は長く続くものではありません。不思議なもので、なんとか乗り越えられる。というか、乗り越えるしかない(笑)。

子育てしていれば、壁は形を変えて次々と現れてきます。でも、乗り越えているうちに「この程度の壁ならなんとかなる」くらいの余裕が出てくるようになり、次第にその「壁」はなくなっていくのではないでしょうか。

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