運命の出会い!お相手は誰かさんのお勧め 本をよみtaknal(たくなる)アプリ「今日は100冊とすれ違った!」

國松 珠実 國松 珠実

本と出会えるアプリ「taknal(タクナル)」が2020年12月に登場した。ユーザー同士がすれ違うと、互いの勧める本を1冊交換できる。顔も名前も知らない相手の好きな本を知ることができ、さらに自分の好きな本も発信できる点が面白いと話題になり、すでに7万ダウンロードを超えた。開発者の一人、taknal編集部の富田翔さんに聞いた。

 taknalで本と出会う

――taknalとは、どのようなアプリですか。

スマホの位置情報を利用して、ユーザー同士がすれ違うと、自分と相手の登録した本の情報が1冊交換されるアプリです。アプリ上に表示される情報は、本のタイトルと表紙の画像、相手のニックネームと100字以内の感想のみ。あとは、相手ユーザーが登録した本の“本棚”が閲覧できます。

――反応はいかがですか。

twitterでは「今日は100冊とすれ違った!」、「思わず読みたくなる本がたくさん」という驚きの声や、「本の感想を読むだけで楽しい」と相手ユーザーに共感する声もあります。そのため「読みたい本が増えて困る」といううれしい悲鳴や、「積読増殖アプリ」とユニークな声も。出会うのは、ほとんどが日頃親しんでいる作家やジャンル以外の本。新たな世界を楽しんでいただいています。

――taknalの開発は、大阪ガスさんだそうですね。

はい。大阪ガスのイノベーション推進部が運営する新規事業創造プログラム「TORCH(トーチ)」から誕生しました。30代前半の社員達が、自分達が「あったらいいな」と思うアイディアを考案し、約2年かけて開発したのです。会社と自宅の往復という多忙な毎日を送る彼らにとって、それ以外の活動は億劫になりがち。無理なく自分のためになり、楽しく継続できるものはと考え、本にたどり着きました。

 たくさんの中から偶然の出会い!セレンディピティを楽しんで

――私もtaknalユーザーです。先日、某作家の作品とばかりすれ違いました。滅多にないので勝手にご縁を感じ、初めてその作家の本を買いました。そんな動機で未知のジャンルに挑戦する感覚は、新鮮でした。まるで運命の出会いです。

まさに私たちの期待する出会いです。未知の世界を知る体験が、日常生活のちょっとしたスパイスのような刺激になればと思います。taknalがそんな非日常体験の一助になれるとうれしいです。

――ところで、タイムラインに10冊までしか表示させないのはなぜですか?お知らせに「今日は200冊と出会いました!」とあるのに、何だかもったいない気分です。

なぜなら、ご自身がアプリを起動させた瞬間に見えた10冊との、偶然の出会いを大切にして欲しいからです。もし200冊すべてを表示させたら、途端に「全部見なきゃ」と義務感を抱く人もいるでしょうし、「縁」も「偶然」も感じにくく、何より大変です。

同じく偶然を大切にという考えから、人の意図を反映させる機能は搭載していません。たとえば、相手ユーザーに表示させる本の選定機能はありません。表示はあくまでランダムです。

taknalが大切にするのは「偶然」、そしてセレンディピティです。偶然の出会いを楽しみ、そこから自身の幸運を発見してもらえればと思います。

――今後、taknalでこうなったらいいなという思いはありますか。

まずは、本とすれ違う日常を継続して楽しんでいただけるように、サービスの完成度を高めていきます。将来は本の価値を高め、知の蓄積である本の循環や出版界への貢献など、taknalで世の中により良い影響を与えられればと思っています。

taknalの名の由来は「本を読み“たくなる”」。まずは“たくなる”感覚を味わってみよう。

■taknal : https://taknal.app/

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