我が家のアイドル保護猫がたった6日で天国へ ある日そっくりな子猫が目の前に現れた

佐藤 利幸 佐藤 利幸

神奈川県在住の若松さん(主婦)が新しい“家族”を迎えたのは昨年9月のことでした。降りしきる雨の中、買い物の途中で「みぃーみぃー」と、どこからか子猫の声が聞こえてきたといいます。心配になって、鳴き声がする方へ近づいてみると、雨でびしょ濡れになった目も開いてない子猫が草むらの中で丸くなっていました。

「このままでは死んでしまう」

そう思った若松さんは、自宅に連れて帰りました。「つみれ」と名付けたそのオスの子猫は体重147グラム。手のひらに乗るサイズです。お腹をこわし、動物病院に通院、夜間診療、そしてまた入院とつみれくんは自宅と病院を往復する毎日でしたが、それでも小さな小さな前足で哺乳瓶を抱えて一生懸命ミルクを飲む姿に、家族はみんな心を打たれました。

実は数年前から近所で、エサをあげている人の家に出入りしている野良猫がいました。つみれくんを発見する直前、その野良猫が複数の子猫と一緒に出入りしているのを見て「子猫が増えたね」と家族で話していたところでした。

5人家族の若松家ですっかりアイドルになったつみれくん。しかし、お別れは予想以上に早いものでした。保護してからわずか6日後に虹の橋を渡ってしまいました。「つみれを失って、ロスになってしまいました」と振り返ります。気落ちした若松さんは、ご主人から子猫譲渡情報が掲載されていた保護猫サイトを見るように勧められました。

保護猫サイトで、若松さんの目に1匹のオスの子猫が目に止まりました。地域で保護活動をしている人の元で産まれた子猫、ただ人気がないのか「いつまでもサイトに残っていましたね(笑)。私はどんなに綺麗な子猫よりどうしてもおるかが良くてお迎えしました」と、おるかと名付けて若松家に迎えました。

おるかくんを迎えた1カ月後、「えっ、つみれ?」

おるかくんを迎えてから1カ月後のことでした。近所を歩いているとき、若松さんは猫の親子に目を奪われたと言います。「あっ、つみれのお母さん…」。そして、その近くで遊んでいる子猫を見たとき、心臓がドキドキしました。つみれくんにそっくりな子猫だったのです。顔、体の模様…まるでつみれくんが生き返ったのかと錯覚するほど似ていました。

しばらく呆然として猫の親子を見ていたあと、我に返った若松さんはすぐに写真を撮り、おるかくんを譲ってくれた保護主に相談しました。その保護主は「母猫がいるなら避妊手術のために保護しましょう」と、言って若松さんの背中を押してくれました。

つみれくんの母猫にTNR(T=TRAP「つかまえる」N=NEUTER「不妊手術する」R=RETURN「元の場所に戻す」)を施し、地域猫に。そして、つみれくんの兄弟猫は「虎太朗」と名付けて、若松さんが引き取りました。「もしかしたら、つみれが僕の兄弟がいるよ。お家に入れてあげて、と言っていたのかなと思っています」(若松さん)。先輩のおるかくんは弟分の虎太朗くんをすんなりと受け入れ、仲良く過ごしていましたが、今年2月28日に消化器型リンパ腫が見つかり、闘病の末、3月24日に虹の橋を渡りました。

家族の一員となった虎太朗くんといえば、若松さんのお腹の上に飛び乗ってきたり、抱っこを要求したり…また在宅勤務で仕事中にもテーブルの下からちょっかいを出したりと、甘えているといいます。「つみれ、おるかの分まで長生きしてほしい」と、若松さんはそう願っています。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース