岡山県北部の町にある勝間田高校(勝央町)の購買に41年間勤務した“購買のおばちゃん”が、廃止に伴って3月末で引退することになり、生徒たちが「ありがとうの会」を開いて送り出した。
「おばちゃん大好き」「長い間お疲れさまでした」
感謝やねぎらいの言葉が詰まった寄せ書きや花束を受け取って、赤堀千恵子さん(79)は華やかな笑顔を見せた。
生徒との交流がやりがいだった。購買にやって来る一人一人の顔と名前を覚え、名前で話しかけると、やんちゃな子もシャイな子も気さくに話してくれるように。家庭や学校生活の悩みを打ち明けてくれる子もいた。
「根っから悪い子はおらん」「見た目で子どもを判断しちゃいかん」。普段やんちゃばかりしている生徒が、小遣いが足りずパンを買えない友達に「1個やるわ」と買ってあげる場面に出くわしたこともある。
親子2代にわたり付き合ったり、卒業しても定期的に訪ねて来てくれたり、今でも交流が続く人は多い。
2月28日、卒業式の予行練習前に「赤堀さんありがとうの会」が開かれた。「また学校に来ればおばちゃんはずっといてくれるものだと思っていた。一緒の卒業になってさみしい」と3月に卒業した男子生徒(18)は話す。
高校の近くで暮らしている赤堀さん。「生徒たちに支えられた40年間は私の財産。これからは“地元のおばちゃん”として何かご恩返しができれば」