銀座・焼き鳥の名店の味を自宅で再現 手軽に焼き鳥飲みができる「焼き台」を使い尽くしてみた

上村 慎太郎 上村 慎太郎

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛ムードの中、飲みに行きたくても行けず、ウズウズしている方も多いのではないでしょうか。かくいう私もウズウズしている一人。仕事帰りに既に店じまいをしているなじみの焼鳥店の前を通ったりすると、やり場のない気持ちが溢れ出す。

 そんなある日、ネットサーフィンをしてる最中に興味を惹かれるアイテムを発見した。それが「焼鳥焼き台」だ。読んで字のごとく焼鳥を焼く機器なのだが、わかりやすく言えば電気で小型焼き台のステンレスヒーターを加熱し、その上で焼鳥を焼くというシンプルなものだ。

 なかでもひときわ気になったのが銀座などに店舗展開する高級焼鳥店「鳥幸」の焼き台。「鳥幸」が自宅でひとり飲みを楽しめる「焼鳥ミールキット」(4400円)と「鳥幸オリジナル焼台」(3520円)を開発・販売しており、既に1万台以上売れているという。私と同じことを考えている方が多いのだろうか?

 説明書きを見ると「スーパーでは買えない銘柄鶏の希少部位を使用し、特製タレや焼塩に5種の薬味を備え付けており、好みに応じた味付けでカスタマイズできる」とある。さらには「炭火の香ばしさを再現するため、炭の香りをまとわせた特製チャコールオイルが付いており、自宅で誰もが”鳥幸の串”を楽しめる」とも書かれていた。これは気になるではないか。高級焼鳥店の味を自宅で楽しめるまたとないチャンスだ。

 そして、決め手となったのはこの文言。「こちらの商品をご購入することで、新型コロナウイルスの影響で行き場を失った地鶏・銘柄鶏とその生産者支援につながります」。コロナ禍で飲食店に卸せなくなり、困っている畜産業者を、食べることで応援するというコンセプトだ。なにやら鳥幸のオーナーが福島出身で、販売先を失った生産者を助けようと、今回このような形で様々なミールキットを販売することになったのだそうだ。

 注文してから数日で品物が到着した。早速、開けてみると中には焼き台、ミールキット、調味料などがぎっしり詰まっており、説明書を片手に準備完了。焼き台はコンセントに刺すだけでオッケーだ。今回頼んだのは「福島県産の川俣シャモ」。ムネもも肉、砂肝、ふりそで、手羽、つくねの5種類が2本ずつ計10本が入っている。

 早く食べたい気持ちを抑えつつ、YouTubeにアップされている焼き方動画を観ながら焼いていく。例のチャコールオイルを付属のハケで塗り、頃合いを見てひっくり返したり、まるで職人になったような気分を体験できる。体験型の食事はワクワクするものだ。バーベキューや焼き芋など、みなさんワクワクした経験ありますよね?まさにそのワクワクも体験できるキットだ。

 丹念に焼き、良い頃合いに仕上がった焼鳥をいざ試食。「ああ、普段食べている焼鳥とは違う」。ちょうど良い歯応えで、かめばかむほどコクのある鳥の味が広がるムネもも肉、臭みがなく歯応えも良い砂肝、ふりそでや手羽は周りはカリッと中はジューシーで非常に美味い。

 焼き台は2段階でヒーターからの高さを調節できるので、焼き物に合わせて変えるのが良い。味付けも、タレや塩の他に柚子胡椒、トリュフ塩など5種類もついてくるので好みの味にアレンジするのがオススメ。グビ、グビッとああ、ビールが進む。

 そうそう、家で焼鳥となると気になるのは煙だが、ステンレス素材シーズヒーター採用により、素材を遠赤外線で焼き上げ、素材から出る脂をはじくことで、気になる煙を極力発生させないシステムになっているから安心だ。とはいえ、やはりある程度の香りはたちこめるので換気をした方が良い。私の場合は空気清浄機を近くにセットして万全の体制で挑んだ。また、オンライン飲み会などの場合も、焼いてる姿を見せたいところだが、熱を発するので画面の前で焼くのは控えた方が良いだろう。

 ミールキットは非常に美味しいが、やはり地鶏や銘柄鶏のため、それなりのお値段になる。なので今回は、スーパーで買った鶏肉と牛肉、そして長ネギと椎茸に串を打ち、同じ要領で一緒に焼いてみた。すると、チャコールオイルを塗るだけでネギが驚くほど香り豊かに。これは試す価値があるぞ!そしてスーパーで買った鶏肉も食してみるが、美味しい焼鳥を食べた後ではやはり見劣りしてしまう。だが、何より焼きたてを食べられるし、焼くという体験が豊かな時間をもたらしてくれるのは間違いない。

 もちろん、焼き台だけでも販売している。コロナ禍で飲みに行けずウズウズしているあなた、この機会にぜひ手に入れてみてはいかがだろうか。

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