新聞社や出版社には記事をチェックする「校閲」係がいます。記事や見出しの変換ミスや打ち間違い、勘違いなどを未然に防ぐ、いわばゴールキーパーのような仕事です。次の文章は短いですが、変なところがそれぞれ10か所あります。分かるかな?
【問題】初級編
まずは初級編から挑戦してみてください。こんな短い文章ですが、実は10カ所も間違いがあるんです。
【答え】
富山市ファミリーパークに、カピバラの湯が誕生(たんじょう)しました。カピバラは世界で最も大きなげっ歯目(ねずみの仲間)。ずんぐりした体を湯にしずめ、じっと遠×くを見つめる姿(すがた)は人間のよう。長年の夢(ゆめ)だったカピバラの湯を、なんとかねずみ年に完成させた園長の熱い思いを聞きました。
【問題】中級編
中級編は、文章は短くなっていますが、やはり10カ所の間違いがあります。最後の一つはなかなか難しいかもしれません。
【答え】
ギョーザは焼き、ゆで、揚げなど、調理法で違う味わいが楽しめるのが魅力です。キャベツやハクサイが旬を迎える冬は野菜の自然な甘みが、ジューシーな肉によく合います。寒い日は、熱々のギョーザを頬張りましょう。
【問題】上級編
新聞で使う用語・表現としては、変なところが10か所あります。見つけられますか。
パパ 最近肝に据えかねる言葉遣いが多いんだ。
ママ 例えば?
パパ きのう一緒に見てたネットの動画で「女手一人で育て上げる」って言ってたけど、あれは「女手一つ」でしょ。
ママ あの人、言葉を知らないことが明るみになったという感じね。期待倒れというか、そのうち足元をすくわれるかもね。
パパ ほかにも「口車を合わせる」とか「眠気まなこ」とか「出るくぎは打たれる」とか。
ママ 「口裏を合わせる」「寝ぼけ眼」「『くぎ』じゃなくて『くい』」でしょ。国語の先生が聞いたら、眉をしかめるわ。利発そうなのに見かけ倒れね。嫌気がする。
パパ 正しく日本語を使うのが至上命題。汚名挽回、天罰が当たらないうちに直してほしいなぁ。
【正解例】
パパ 最近腹に据えかねる言葉遣いが多いんだ。
ママ 例えば?
パパ きのう一緒に見てたネットの動画で「女手一人で育て上げる」って言ってたけど、あれは「女手一つ」でしょ。
ママ あの人、言葉を知らないことが明るみに出たという感じね。期待外れというか、そのうち足をすくわれるかもね。
パパ ほかにも「口車を合わせる」とか「眠気まなこ」とか「出るくぎは打たれる」とか。
ママ 「口裏を合わせる」「寝ぼけ眼」「『くぎ』じゃなくて『くい』」でしょ。国語の先生が聞いたら、眉をひそめるわ。利発そうなのに見かけ倒しね。嫌気がさす。
パパ 正しく日本語を使うのが至上命令。汚名返上、天罰が下らないうちに直してほしいなぁ。
さて、みなさん、いかがでしたか。言葉って難しいですね。