窃盗の「情報屋」に注意…粗大ごみ回収など偽って室内下見、効果的な「防盗金庫」とは?

小川 泰平 小川 泰平
窃盗グループが情報収集で動いている(naka stock.adobe.com.jpeg)
窃盗グループが情報収集で動いている(naka stock.adobe.com.jpeg)

 自宅にいる時間が増えたコロナ禍の中でも、高額な金品がある家を狙い撃ちする窃盗グループが活動範囲を広げているという。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は25日、当サイトの取材に対し、「防盗金庫」の設置などの対策を挙げた。

 窃盗グループには、実行部隊とは別の「情報屋」がいて、分業しているケースもあるという。名簿、口コミ、飲食店での会話、SNS等で狙う家の情報を収集し、深夜だけでなく日中も狙った家を張り込みをして侵入するタイミングをうかがう。さらには、身分を偽って家に入って事前に「下調べ」をしておくこともあるという。

 小川氏は「例えば、役所のリサイクルや粗大ごみを回収しに来ましたなどと言って窃盗グループがやってきます。高齢者のいる家を狙って、『重いでしょう、こちらで運びますから』などと、お年寄りに気さくに声をかけて安心させ、部屋の中に上がり込み、室内の様子を物色するという事例が過去には起きています。そこで家族構成や、出勤時間、帰宅時間などの情報を世間話に織り交ぜながら得ているわけです」と解説した。

 対策として、小川氏は「現金を自宅に置かないこと。また、SNSで旅行などの家を空ける予定を書かないこと。飲食店等の出先で景気が良いとか、株でもうかった、仮想通貨が爆騰げした、家に金がある等の話もしない方がいい。盗み聞きされて狙われることもある。そして、中には金庫ごと持ち去る窃盗犯もいるため、重くて持ち運びがしにくいなど、防犯性能の高い金庫を使う事も必要です」と呼びかけた。

 その金庫について、小川氏は「防盗金庫」を勧めた。同氏によると、防盗金庫は「ドリルやハンマーなどの工具よる破壊やバーナーによるガス溶断などの攻撃に耐える性能試験をクリアし、高い防盗性能を備えている」という。「例えば『ガードマックス』という防盗金庫は重さ約1トン。この金庫は『クマヒラ』という会社が出しているが、私が捜査3課時代に、金庫破りのプロ中のプロの泥棒を逮捕したことがあるが、その者がある事務所に入ったらクマヒラの金庫があったので全く手を付けず、金庫に最敬礼して『失礼しました』とUターンして帰ったと言う話もあります」と明かした。

 その上で、小川氏は「金庫破りには、現場破壊か金庫搬出という2つの手口がある。私の知る限り、この金庫が現場で破られたり、搬出されたことはありません」と付け加えた。

 同氏は一般的な金庫の持ち去り対策として「(1)施錠できる部屋の奥など取られにくい場所に設置、(2)金庫の上や前に荷物を置いたり、カーテンを付けるなどしてカモフラージュ、(3)固定金具を付けたり、コンクリートで床に埋めるなど持ち運べないようにする、(4)アラーム装置を付ける」の4か条を挙げた。

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