「最初から葉っぱを狙ってたんだしっ」!?…魚の捕獲にめっちゃカッコ良く“失敗”したカワセミさんに大反響

山本 明 山本 明

 「めっちゃかっこよく失敗するカワセミ撮れたから見てほしい」という文言とともに、スタイリッシュに獲物をゲット!!…のはずが魚ではなく、実は枯葉だった!?というカワセミさんの姿を写した画像がSNSで大きな反響を呼んでいます。

 美しい飛翔姿が青い宝石にもたとえられる水辺の野鳥、カワセミさん。思いがけないドジっ子姿に「可愛い」という声のほか、「べ、別に最初から!葉っぱを取ろうと!思っていただけ、だしっ!」というような趣旨の心情を代弁するアテレコも多数寄せられました。2月11日に投稿されたこちらのツイートは19日現在、6.8万リツイート、31.3万いいねがついています。

 撮影したのは「最近、カメラと野鳥沼に頭からダイブした」というコダック組長@きつねりす(@fumoffuuuuu)さん。撮影時の様子や、野鳥を撮る時のコツを聞きました。

   ◇   ◇

――決定的瞬間を捉えています、撮影時の状況を教えてください。

 保全のため特定できる情報はお伝えできませんが、普通の川です。周りにカメラマンは僕ともう一人いた程度で、あまり撮影スポットという感じではない場所です。

――カワセミさんは失敗に気がついていましたか?

 カワセミが葉っぱだと気づいていたかは分かりませんが、小魚を捕まえた時に行う叩き(岩にぶつけて弱らせる行為)は行っていました。最終的には(葉っぱを)捨ててましたね…。

――このツイートの後に投稿した成功例も拝見しました。

 2匹同時捕獲は見事な腕前だと思いましたが、当人はすごく食べにくそうでした。

――今回、撮影に使用したカメラは「α7c + sigma 100-400mm f5-6.3 dg os」で「手持ち撮影」だそうですね。コメント欄にもありましたが、飛んでいる野鳥を撮影するのが難しい方も多いようです。お薦めの時間帯、撮影方法などはありますか。

 時間帯は朝が良いとされていますが、自分は早起きが得意ではないので9時頃〜15時頃の撮影が多いです。この時間帯に鳥のいそうなところを散歩して、会えたら撮る、といったスタイルでやっています。

 機材は少なめです。三脚や一脚は使わずに撮影することがほとんどです。カワセミの飛び込みを撮っている方はほとんど三脚を使ってらっしゃいますね。手ブレ防止というより、構えて待ち続けるのが疲れるので、三脚を使う方が多いんだと思います。

 自分が唯一必要だと思ったカメラ以外の機材は、カメラに乗せる照準器です。望遠レンズでファインダー越しにカワセミを追うと、速すぎてすぐにフレームアウトするので相当難しいです。照準器があればフレームに入れやすいです。

――作品を拝見し、のびのびとした自然体の野鳥の姿がカメラに収められている、と感じました。テクニック以外で、撮影時にこだわっていることはありますか?

 自分がこだわっていることは、こだわらないこと、です。いい写真を撮ろうと気張ると、その緊張が鳥にも伝わってしまいます。ですので、彼らのありのままを眺めて、それを邪魔しないように撮影するよう意識しています。その中で、件(くだん)の写真のような面白い瞬間に出会えることがあり、それも野鳥撮影の楽しみの一つだと自分は思っています。

――今回の大反響への感想はいかがですか。

 想像以上の反響にとても驚いています。明るいニュースが少ない昨今ですが、自分の写真で少しでも楽しんでいただけたのであれば幸いです。カワセミ(の失敗)も報われると思います。

   ◇   ◇

 最後に今後はどんな写真が撮りたいですか、と尋ねると「今後も今まで通り、いい写真を撮ろうと躍起にならずに、のんびり撮影をしていきたいと思います。次はどんな瞬間に出会えるのか、とても楽しみです」とさわやかな答えが返ってきました。アカウントには、自然の中でしなやかに息づく鳥たちの生命をいきいきと写した作品がたくさん投稿されています。こちらもぜひご覧ください。

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