「いつも私の名前をよんでくれてありがとう」 ワンちゃんから小学生への別れの手紙が胸に迫る

黒川 裕生 黒川 裕生

「小学生のみなさんへ」という呼び掛けから始まる手書きの張り紙がTwitterで注目を集めています。それは、なんとワンちゃんからのメッセージ。「いつも私の名前をよんでくれてありがとう」とかわいがってくれたことにお礼を述べ、「私はひっこしする事になりました。これからも動物をいじめないやさしい人でいてね。じゃあ元気でね!ウェンディーより(13才)」と明るくお別れを告げる内容です。「ほんわかする、張り紙。」とコメントを添えて投稿した庶民文化研究家の町田忍さん(@kerorin_machida)にお話を伺いました。

町田さんによると、この張り紙は2007年に都内の閑静な住宅街で偶然見つけたものだそうです。在野の研究者として納豆やチョコレートなどのパッケージをはじめ、様々なモノの収集癖がある町田さんは、普段からこうした張り紙もこつこつ記録。「よくある迷子ペットの掲示かな」と思いつつ読んでみて、思いがけない内容に驚かされたそうです。

「張り紙は2000枚くらい記録してきましたが、これが一番心に響きました」

もちろん本当に引っ越したのかもしれませんが、13才というウェンディーの年齢から、実は「もしかしたら天国に逝ったことを、飼い主の方が気を使って『ひっこし』と書いたのかも」と感じたという町田さん。小学生でも読めるように漢字には全て振り仮名が添えられていて、愛犬をかわいがってくれた子供たちへの感謝と温かな思いやりの心が伝わってくるようです。

実はこの写真、2020年2月に発売された町田さんの著書「町田忍の手描き看板百景」(東海教育研究所)でも紹介されています。本書では他にも味わい深い手描き看板がたくさん掲載されていますので、興味がある人はこれを機に一度手に取ってみてはいかがでしょう。

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