長回しナンバーワンは誰だ!? プロがレクチャーする、小学生の本気のコマ大戦とは

國松 珠実 國松 珠実
ネットのコマ大戦で使用するコマ。どのようにカスタマイズしたら、長時間安定して回るコマになるかな?
ネットのコマ大戦で使用するコマ。どのようにカスタマイズしたら、長時間安定して回るコマになるかな?

小学生を対象に、コマの長回し対決「第3回 ネットでコマ大戦」が、1月30日に開催される。1秒でも長くコマを回し続けられるのは誰だ?!

大会側で指定のこのコマ、実はパーツの組み替えが可能。そして大会前に、全国のコマ大戦で優勝実績のある正真正銘のプロが、オンラインレクチャーをしてくれる。大会を主催し、自身もものづくりの現場で17年やってきた株式会社MACHICOCO代表の戸屋加代さんに話を聞いた。

長く回すコツを、経験豊富なプロがレクチャー

 コマ大戦といえば、昔ながらのコマを回して楽しむ大会もあれば、大の大人らが自ら創意工夫したコマで、熱いバトルを繰り広げる大会もある。

ものづくりで知られる大阪府東大阪市にあるMACHICOCOが主催の「ネットでコマ大戦」の出場者は小学生。使用するコマは、航空機部品をはじめ大企業に部品を提供するものづくりの達人企業が製作した本格的なものだ。

指先でひねって回すタイプで、コマは4つのパーツに分かれて出場者の手元に届く。
リングが3本と、軸1本で構成されるコマ。リングはステンレス、真鍮、銅と素材が違う。
これらのリングを軸に通しコマにするのだが、はたしてどの順番で通すか、重心を軸のどの部分へもってくるか、リングの間隔を空けるか詰めるか。
さまざまな条件で、バランスよく、長時間回るかどうかが変わってくる。

そのコツを伝授してくれるのが、大会用のコマを製造し「全日本製造業コマ大戦」で優勝した実績を持つ有限会社シオンの山田健社長だ。岐阜県で、航空機部品をはじめ、さまざまな部品製造を行う企業の、しかもものづくりのプロでありコマのプロでもある社長自らが、長く回るカスタマイズ法をわかりやすく教える。そんな機会はなかなかない。

「山田社長も、時間を忘れて丁寧に教えてくださいます。とても濃密な時間です」と戸屋さんもうれしそうだ。

 ゼロイチの面白さを伝えたい

 1回目の「ネットでコマ大戦」は、昨年5月。
きっかけは新型コロナウイルスだ。自由に外出できずストレスをためる子どもたちのために、何かやれることはと考えた時、MACHICOCOで販売するシオン製作のコマが目に止まった。これならただ回すだけでなく、考える力を養える。

「ただの4つのパーツを、長く回り続けるコマに。無から有を生み出すゼロイチの面白さを、少しでも味わって欲しかった」という戸屋さん。
オンラインで自宅でもできるコマ大戦として5月、そして第2回目を9月に開催。学校も始まった9月での終了も考えたが、「うまくコマが回らないと悔しくて大泣きする子どもが、画面越しに続出。私も思わずもらい泣きして、ぜひリベンジの機会を作らなきゃと」。そこで今回の開催となった。

 戸屋さん自身、17年間ものづくりに携わってきた。町工場の悩みや課題が理解し、MACHICOCOで東大阪の町工場の活性化に尽力する。
コロナが終息したら町ぐるみで大人と子ども混合でチームを組み、コマ大戦を通じて、町と町工場とのつながりを固めたいと語る。

「『ものづくりに参加したい』という若者を育てたい。そのためには本物の職人と交流し、本物の材料に触れて、ものづくりの醍醐味を味わってもらう機会を増やしたい」と語る。

■第3回ネットでコマ大戦 ーキミだけのコマを作って長回しNo.1を目指せ!ー
https://www.machicoco.co.jp/archives/newevent/komataisen20210130#koma4
(1月30日当日、コマ大戦の様子をネットで生配信予定)

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース