コロナ時代に対応! 玄関開けたらすぐ手洗いシンク、換気を見直す住宅の建築依頼が急増中

八木 純子 八木 純子

 コロナ禍で手洗い意識が高まっている現在、増えているのが「玄関に手洗い場を作る」という発想の家です。「2021年もその傾向は強いし、さらに要望は高まると予想しています」と語るのは、新築だけでなくリノベーションにも力を入れている「名月住建」(本社・兵庫県尼崎市)の河野昇徳社長。コロナ時代の住宅のあり方などをお聞きしました。

コロナ禍で玄関に洗面台のある住宅依頼が急増

 コロナ禍で家に帰ったらすぐに手洗いやうがいをする人が増えています。しかし、実際問題として現状の家屋では洗面所にたどりつくまでに、スイッチやあちこちを触ったりするのは避けられません。河野社長は「洗面所は通常、プライベートなところなので、家族が使用するものと思っている人も少なくないようです。お客さんにも手洗いをしてほしいと思うと、やはり、玄関に新しく作る方がいいと思いますね」と話します。

 何という発想と思うかもしれませんが、今のままの動線では何かと不都合なのも確か。ということで「コロナ時代には、新築を建てる人も、家をリフォームする人も『玄関&手洗い』をセットにすることが一般的な考え方になっていくかもしれません」。

 しかし、玄関ということもあり、家の中の洗面コーナーとは違い、コンパクトな洗面台を希望されることが多いようです。また「水栓に触らず手洗いができるタッチレスの要求も高まってくる」と河野社長はにらんでいます。

空調関連も見直し、換気に留意した家も急増中

 またコロナ時代に入り、今まで以上に家の換気を見直す人も増えています。「コロナ禍で住まいに対する考え方が変わってきました。これまで以上に、換気計画をしっかり立て、よい空気の流れを作ることの必要性をお話させていただいています」。

 加えて、全ての居室で適切な換気をしたいと思えば「設計にも一工夫いる」と河野社長は続けます。「給気口や排気グリル、ダクトの配置や、 排気グリルの吸い込み量などを決めて、適切な換気がすべての部屋で行われるように設計する『換気計画』を立てることが重要なのです」。

 というのも、例えば自然給気口の位置が適切でないと結露の原因になり、排気グリルと給気口との位置関係が悪いと室内に汚れた空気が滞留してしまうこともあるといいます。「依頼されるなら換気設計の専門家にお願いしてほしいですね。専門家なら図面をベースに最善の換気計画を提案できるからです」。

 気をつけたいのは換気計画を立てる際に初期費用で考えてしまわないことだと言います。「コスパを考えるのはいいことですが、フィルターの交換頻度や交換費、経年劣化によるファン本体の交換費用などランニングコストも併せて考えないと、かえって高い買い物になることだってあります。信頼できるプロに相談してほしいと思います」と河野社長はアドバイスしています。

 コロナ時代で手洗いの場所や、換気のあり方なども考えさせられる昨今。安心できる住まいは、withコロナの考えなしにはありえないのかもしれませんね。

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