先人も祈った「感染症収束」テーマの企画展 魔よけの絵巻、「お染風邪」の和本…不安と闘う営み伝える

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桃太郎のからくり博物館に展示されている鬼神・鍾馗が描かれた絵巻
桃太郎のからくり博物館に展示されている鬼神・鍾馗が描かれた絵巻

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、岡山県倉敷市美観地区の「桃太郎のからくり博物館」(同市本町)で、かつて流行した伝染病と当時の人々との関わり方を示した資料の展覧会が開かれている。魔よけの鬼神を描いた中国の絵巻をはじめ、歌舞伎やレコードといった娯楽に反映された流行病の資料も出展され、未知の病への不安を乗り越えようとした先人たちの営みを伝えている。31日まで。

  企画展のテーマは「疫病退散! あの手この手」。住宅正人館長が収集した骨とう品など約20点を並べている。

  魔よけとなる中国の鬼神・鍾馗(しょうき)を描いた明治初期の絵巻は、マラリアにかかった唐の玄宗皇帝の夢に鍾馗が現れ、鬼を退治すると病が治ったという故事が題材。歌舞伎などで親しまれる悲恋物語「お染久松」の和本は、1890(明治23)年ごろにまん延した新型インフルエンザが、久松に恋い焦がれるお染に例えられ「お染風邪」とちまたで呼ばれたことから出展されている。

  天然痘によるあばたが歌詞に入った熊本民謡「おてもやん」のレコード、79(明治12)年に岡山県がコレラ感染防止のために出した布告などもある。住宅館長は「感染症が人々の心に与えた影響と、その不安の中でいかに生き抜いたかを知ってほしい」と呼び掛ける。

  午前10時~午後5時。問い合わせは同博物館(086―423―2008)。

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