猫ちゃんが興奮する"テーマパーク"! 猫専用のお部屋に「猫たちへの愛が溢れている」と話題 

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「今日はどこで遊ぼうかニャ?」――Twitterユーザーの「ネコ部屋」(@nekobeya35)さんが紹介する猫専用のお部屋がTwitter上で「ステキ過ぎる」と話題になっています。室内は、壁側に取り付けられたキャットステップや天井から吊された透明ガラスのキャットウォーク、2階に通じるトンネルなど・・・まるでアスレチック広場のようです。フォロワーからも「猫のために特化した立派なお部屋ですね!」「圧巻です」「ネコちゃん達への愛が溢れてます♪」などと感激のコメントが寄せられるほど。そんな話題のお部屋は、猫ちゃんたちのためにどんな工夫をこらしているのでしょうか? "猫部屋"を作ったきっかけなども含めて「ネコ部屋」(@nekobeya35)さんにお話を伺ってみました。

愛知・ジブリパーク開業に合わせ民泊を計画 客室と分けるため猫専用部屋を考案

「ネコ部屋」さんが猫専用のお部屋を手掛けたきっかけは、2年ほど前のこと。2005年に開催された愛知万博跡地「愛・地球博記念公園」(愛知県)内に新しいテーマパーク「ジブリパーク」が整備されるとの発表がありました。ジブリパークは、"スタジオジブリ作品の世界観を表現し、その作品世界を伝え残す"というコンセプトから企画。アメリカやフランス、中国など海外からも人気のあるジブリ作品のテーマパークとあって、外国人の集客も期待されています。

 そこで、テーマパーク予定地の近くに住んでいる「ネコ部屋」さんは以前から外国人との交流に憧れており、「海外からの旅行客(以下、ゲスト)を我が家に迎え入れたい」と思い立ち、開業予定の2022年秋までに民泊の準備を進めようと計画。とはいいつつも、たくさんの猫ちゃんを飼っていたため、ゲストの泊まる部屋に猫ちゃんたちが勝手に入ってこないようにしなければ・・・と、考えていました。

 最終的に「ゲストにも飼い猫たちにもお互いがストレスとならないような部屋の構造にしたい」と考え、客室と猫専用のお部屋を分けるリフォーム工事をすることになったといいます。工事はコロナの影響で着工が遅れて2020年5月からスタート、10月に終わったばかり。リフォームした1階はゲストも猫と触れ合えるリビングで、2階は客室「緑の部屋」「青の部屋」の2室。各客室の横に格子を隔てて猫部屋も整備したそうです。

 

1階と2階をつなぐトンネルを作成 猫が部屋を自由に行き来できる

「お部屋をリフォームするにあたって、人と猫たちがストレスを最小限にしてお互いの空間を過ごせるような作りにしました。例えば、客室と猫部屋を分ける壁を格子にすることで圧迫感を軽減して客室から猫たちの様子も眺められるようになっています。ただ、格子の客室側にはロールカーテンが設置してあるので、気になる方はカーテンで猫部屋と遮断できるようになっています」と「ネコ部屋」さん。さらに、ゲストと猫ちゃんたちが出くわさないようにするために「猫部屋と客室の間の扉を施錠するなどして、客室から入ることができないようにしたり。猫たちがゲストの使う階段や廊下を通らないよう、1階の天井と2階の床下に穴を空けてトンネルを通して猫部屋を自由に行き来できるようにしたりと、工夫をしました」と説明します。

 

1階はリビング 壁側にキャットステップやキャットドームなど取り付け

それぞれのお部屋の特徴をみると、1階のリビングにはソファーやテーブルといった家具が置いてあり、壁側にはたくさんのキャットステップやキャットドームなどが取り付けてあります。元々立っていたという2本の大黒柱は麻紐を巻き付けて登り棒に。そのまま天井に向かうと、2階の猫部屋に続くトンネル穴が空いています。

2階は客室「緑の部屋」と「青の部屋」 格子越しに猫部屋2室を整備

トンネルを抜けると、2階の客室「緑の部屋」側の猫部屋へ。"緑の自然"をテーマに、取り付けたキャットステップやキャットタワーなどには葉っぱや木々のインテリアでコーディネートされています。一方、もう一つの客室「青の部屋」側の猫部屋には、「緑の部屋」の床や天井近くに作ったトンネルを通って猫ちゃんたちの行き来が可能。こちらも"夜"をテーマにしたダークブラウンのキャットステップや大きな月型のシーリングライトなどが取り付けてあります。また、客室側に尿などの臭いが届かないよう、2階の猫部屋には一切布製の家具などは置いていないでそうです。

 このほか、床には足に優しく濡れても掃除がしやすいようにビニール製クッションフロアを貼っており、室温は24時間エアコンで管理した猫ちゃんたちにとって快適な空間になっているといいます。

 

猫部屋も毎日こまめにお掃除 トイレやご飯の場所など各部屋に設置・・・伸び伸びと過ごす猫たち

「ネコ部屋」さんは「猫部屋も毎日こまめに掃除をしており、これまで以上に猫たちが自由に行動できて快適に過ごせるよう努めています。窓の換気をする際も転落防止のためにリフォーム会社の方に手作りの柵を取り付けてもらいました。また、トイレやご飯の場所などは各部屋に設置しており、好きなときに好きなところで用を足したり、ご飯を食べたりと伸び伸びとした環境だと思います。1、2階を頻繁に行き来する猫もいれば、2階に上がらず1階にずっと留まっている猫もいるので、それぞれのこだわりであったり、好きなところがあったりと・・・特に無理強いはせずに猫たちの自然な行動に任せています。猫部屋を作ってから、以前よりも、猫たちがイキイキとした表情を見せてくれるようになりました」。

 ◇  ◇

 ここで、猫部屋の猫ちゃんを一部をご紹介します。

 

■長男ジバくん(6歳)・サバ白

 横長がおとぼけ顔がチャームポイント。Twitterではよくリンゴの皮を被って登場します。三男のトロくんにけんかを仕掛けるとか。現在腎臓病のため週1回通院しているといいます。

■モチちゃん(3歳)・白猫の女の子

 生後2ヶ月で直腸を一部切除して肛門とつなぐ手術を受けました。獣医師さんから「生きて戻れないかも」などと宣告されましたが、乗り切ったとのこと。ちょっとだけ気の弱い美猫ちゃん。

 

■ミノちゃん(2歳)・三毛猫の女の子

 飼い主の「ネコ部屋」さんたちに呼ばれると必ず「ニャア」とお返事するというお利口さん。「ネコ部屋」さんたちを信頼しきっている「かわいい子」だそうです。

猫のために「テラスにサンルームも作りたい」 さらなるリフォームを検討中

「ネコ部屋」さんによると、リフォーム前、大手術をしたモチちゃんはお姉さんの三毛猫ウニちゃんによく追い掛けられて一日中ソファーの下に潜ったまま、ご飯とトイレ以外は姿を見せなかったといいます。リフォーム後には3つの部屋を縦横無尽に行き来して、「ネコ部屋」さんにも近寄って甘えるようになったとか。またウニちゃんもモチちゃんを追っ掛けなくなったそうです。

 「私たちはとりわけモチを気に掛けていたので、それだけでもリフォームして良かったと思っています」と話す「ネコ部屋」さん。さらなるリフォームとして「少しでも猫たちに外の風を感じさせてあげたいので、テラスにサンルームのようなものを作れたら」とのことです。

 ゲストルームを作る目的だった「ネコ部屋」さんでしたが・・・そこには、猫ちゃんたちの"テーマパーク"も広がっていたようです。

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