幻の車、ランボルギーニ・イオタからデコトラまで!? 往年の名車が集結した「昭和レトロカー万博2020」

小嶋 あきら 小嶋 あきら

12月20日の日曜日、大阪・舞洲スポーツアイランド「空の広場」で、「昭和レトロカー万博2020」が開催されました。当日は時折雲が広がるものの概ね晴れ。全国各地から集まった昭和のレトロカーがずらりと展示されている会場は、家族連れなど多くの人で賑わっていました。

バルーンのゲートをくぐって会場に入ると、その広さに驚かされます。まさに見渡す限り広がる昭和の名車たち。まずは左手から順に、右回りに見ていくことにします。

最初に現れたのは、フェアレディZやスカイラインなど、日産のレトロカーです。ボンネットの中にはピカピカに磨かれた直列六気筒エンジン。六つ並んだ吸気口が、現代のコンパクトなV型とはひと味違う迫力を感じさせます。

奥に進むとBMW2002ti、憧れのアルピナ仕様。そしてアメリカ・ウィリス社のライセンス生産をしていた三菱ジープ。この辺りももう見かけなくなりました。なんともいえないレトロなカラーが素敵です。

比較的時代の新しい日産パトロールは、同じ色のラジコンも展示されていてまるで親子のようです。水中でも走れそうなシュノーケルがお洒落です。

ナンバープレートが「昭和049の」になっているトヨタセリカ。その奥にはナショナルカラーのミニカー「BUBU 501」。松下ブランドがパナソニックになるずーっとずーっと前の空気をまとっています。

去年も出展されていたTAKARA TORYOさんは今年も会場でクルマの塗り替えを実演されていました。

日産京都自動車大学校からは、初代サニーをベースに学生さんたちが作り上げたカスタムカーが出展されていました。2017年にスタートした「カスタマイズ科」の製作第一号とのことで、いろいろなことにとらわれない自由で楽しい気分がクルマ全体から溢れています。

昭和といえば外せないのが、デコレーショントラック、いわゆるデコトラですね。映画にもなったりして、一世を風靡しました。あの時代の熱いパッションというか、祭の地車やねぶたにも似たパワーと懐かしさを感じてしまうのは筆者だけでしょうか。

今回も会場には、子どもも楽しめるラジコンやミニトレインのコーナーがありました。普段乗れないドクターイエローに乗れる、しかも0系新幹線が引っ張っているというあり得ない贅沢さ。素晴らしいですね。

会場の一番奥、ディープなエリアでは「ハチロクエンジン載せ替えデモンストレーション」というディープな展示。さらにその奥では「焼き玉エンジン」の実演が行われていました。

焼き玉エンジンというのは「ぽんぽん船」などで使われた、ものすごくプリミティブなエンジンで、点火プラグやキャブレターといった現在のエンジンに欠かせない機構が付いていません。プレヒートといってエンジンをあらかじめ熱しておいて、そこに燃料を入れて気化させて燃焼させるのです。工程としては2サイクルなので、弁もありません。また始動にはセルモーターではなく、手前に置かれた小型のエンジンを使用します。重さ約1トン、出力は5馬力。このエンジンは昭和初期に作られたもので、この時代のもので今も動くのはおそらくこれが最後の1台なのだそうです。

ディープエリアから右へ回ると、雰囲気が一転します。目に飛び込んできたのはランボルギーニ・イオタ。我々スーパーカー世代にとってはもう雲の上の存在です。魂がいきなり1970年代に引っ張られるような、おそろしい魔力を放っています。この低さ、この美しさ、見え隠れするV型12気筒エンジン。神々しいまでの存在感です。さらに進むと、ひときわ目立つ銀色の車体が見えてきました。無塗装のステンレスボディ、そう、バック・トゥ・ザ・フューチャーでお馴染みのデロリアン。あの頃感じた未来感は、未来になった今でも新鮮ですね。

会場ではこの日、オークションも開催されました。ポルシェ・カレラ、フィアット・チンクェチェント、フェアレディZなど、憧れの名車が次々と落札されていました。

いつかあそこに参加してみたいなあと、その様子を羨ましく眺めながら会場を後にしたのでした。

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