まさか!ゴミ袋の中にへその緒がついた子猫 間一髪で保護され、愛猫を亡くした人を笑顔にする

渡辺 陽 渡辺 陽

大阪府の保護団体でボランティアをしている人が、ゴミステーションに捨てられていた生後間もない子猫たちを発見した。4匹の子猫たちは無事成長したが、1匹だけ里親が見つからない子がいた。愛猫を亡くして悲しみに暮れていたYさんは、コロナ渦、その子猫の写真を見た。

ゴミ袋に入れて捨てられていた子猫たち

2020年4月3日金曜日、猫の保護団体ケアラマオマオでボランティアをしているAさんは、知り合いのおばあさんと町内で立ち話をしていた。すぐそばにゴミステーションがあり、その日は、資源ごみの回収日だった。

ところが、収集車が来たばかりなのに、ひとつだけグリーンのビニール袋が残っていた。なんとなく気になってAさんが袋の中をのぞくと、何やらモフモフのマフラーのようなものが入っていた。その瞬間、Aさんは、それが子猫だということに気がつき動揺した。

ビニール袋の中には4匹の、まだへその緒がついている子猫が入っていた。「えっ!どうしよう、助けなければ!でも、誰が捨てたんや。ひとつ間違って収集されていたら、この子たちは死んでいる」

Aさんは団体の代表に電話を入れて相談し、ひとまず自宅に戻って子猫たちの体温が下がらないように保温して、団体に連れて行った。すぐに滋賀県からミルクボランティアの達人が来て、子猫たちを引き受けてくれた。

二度と猫を飼うことはない

2019年12月30日、大阪府に住むYさんは、昔、自分で保護して飼っていた愛猫を亡くした。16歳だった。最期を看取ることができたが、Yさんはあまりにも悲しくて、2度と猫は飼えないと思っていた。「猫を飼えない間は、保護猫のためにできることを月に1度はする。今年1年国内旅行をすると決めて動いていました。保護猫カフェに行ったり、保護猫団体に物資を送ったりしながら旅行の計画を立てていたのですが、3月にはコロナの影響が大きくなり、旅行の計画は白紙になりました」

自粛期間に身の回りを整えていく中で心境の変化もあった。以前からブログやインスタを見ていた保護団体ケアラマオマオが保護した4兄弟のうちの1匹に目が留まった。その猫は、4兄弟の中でも最後まで問い合わせがなく、残っていた子だった。「日に日に会いたいと思う気持ちが強くなりました。もし、コロナ禍でなければ、子猫を見て気になっても、里親になろうとは思いませんでした」

笑えないくらいワルな時もあるけれど

5月28日、Yさんは、子猫に会うためにケアラマオマオの保護猫ルームに行った。最初見た時は普通に可愛いという感じではなく、「この子、子猫やのに目がすわっている。なんか面白いな」と思ったそうだ。その目つきと、額のMマーク、鼻の横がぷくっと膨れた容姿が、他の可愛い保護猫達と違って見えて、Yさんの好みのタイプだった。

6月7日から2週間のトライアルがスタートした。名前はカイくんにした。カイくんは全く怯える様子もなく、カイくん専用の部屋を早速探検。しばらくして部屋の1番高いところで寝ていた。「本当に元気過ぎて、部屋中走り回って大暴れしていました。最初のうちは私がカイに声掛けても反応せず、遊ぶのに夢中で意思疎通ができず、ちょっと心配になりました」

カイくんは、あまのじゃくで、甘え方がよく分からないようだが、「遊んでほしい」「お腹がすいた」という自己主張は大きな声でする。

正式譲渡された翌日、早速2回目のワクチン接種に行ったのだが、帰ってしばらくしてから様子を見に行くと、ガタガタ震えていた。既に病院は閉まっていたので、Yさんは慌ててボランティアにLINEをして、アドバイスをもらった。一晩様子をみると、朝には元気になっていた。「今も月に1度はLINEでカイの様子や写真を送っていますし、何かあればすぐに相談、サポートしてもらえるので心強く思っています」

カイくんを迎えてから、毎日朝から晩まで笑いが絶えないという。「ヤンチャ盛りでたまに笑えないくらいワルな時もありますが、突拍子もない動きやリアクションを見ていると、朝から晩までずっと面白いんです」

カイくんのインスタグラムも始めて、他の兄弟の里親や保護猫の里親になった人達と繋がり、みんなの成長を見るのが楽しいそうだ。

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