早生まれの子どもは不利になる? 勉強や運動はついていけるのか…悩めるママたちの体験談を聞いた

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4月生まれの子と3月生まれの子では約1年も違うため、体の大きさが違ったり、早生まれ(1月1日~4月1日生まれ)の子は発達がゆっくりだったりすることもあります。でも、それは少し大きくなってしまえば、何も変わらなくなっていくし、大人になれば歳の差すら気にならなくなっていきます。しかし、早生まれの子どもを持つママは、「ウチの子周り子に比べてすごく小さい…」「ほかの子はできるのに、うちの子だけできない」と気になってしまうこともあるようです。特に、小学校に上がってすぐの頃は、「勉強についていけるのか」「体育で嫌な思いをしないか」などの悩みや不安を持つママもいるようです。

今回は、早生まれの子どもを持つ3人のママに、「保育園時代の様子」「入学後直後の学校生活の様子(困りごとも)」「ママたちの対応や工夫」を聞いてみました。

早生まれの子、保育園時代はどんな様子?

保育園のときお子さんはどんな様子だったのか、少しさかのぼった発達や園生活の様子などを聞いてみました。

   ◇   ◇

▽入園時の発達の差に愕然…

3月半ば生まれの娘。生後11カ月のときに保育園にたまたま空きがあって、ラッキー!とばかりに入園したのですが…同じクラスの子たちはすでに1歳ととっくに過ぎている子ばかりで、みんな普通に歩いたり走ったり、なんならしゃべり始めている子もいました。

ママたちも「もうすぐ2歳だから、そろそろトイレトレーニングかな」なんて話しているし。娘はまだ歩いてもいないし、食事だって上手く食べられないし、トイレなんてまだまだ考えられない! 

「1年も差があるんだから当たり前」なはずなのですが、当時はなんだか気持ちが焦ったし、寂しい気持ちになりましたね。年中になる頃には、やること、話すことは差がなくなりましたが、背は小さかったです。〔Oさん、子ども7歳(現在小2)〕

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▽お迎え時、いつも保育士さんに聞きまくっていた

予定日は4月7日だったのですが、ちょっと早めの3月31日に生まれた息子。ほかにも早生まれちゃんが4人いたのですが、学年の中で断トツの末っ子でした(苦笑)。保育園のときはなんとなく友達に「赤ちゃん扱い」されていたようです(決していじめではなく、末っ子的に可愛がられる、みたいな)。

息子もそれに乗っかって、友達に甘えていたようですね。「僕はできなくてもいい」という気持ちもあったみたいです。お迎えに行っても、ほかの子が上手にボール投げや縄跳びをしているのを、息子はニコニコ眺めているなんてことが多かった。私としては心配で、「今日はどんなことができたか、できなかったか」など、お迎え時に保育士さんにいろいろ質問していました。でも年長になったころには、ほとんど違いは感じなくなりました。〔Iさん、子ども6歳(現在小1)〕

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▽身体だけはデカいけど…

4月1日と超早生まれなのですが、縦にも横にも身体だけはガキ大将のように大きかった息子。それゆえ、早生まれだとあまり知られなくて(苦笑)。身体はデカいのに、(2歳超えるくらいまで)うまく走れない、言葉で上手く伝えられない(5歳くらいまで話がうまくできなかった)、オムツ期間が長い(3歳までしていました)…私が勝手にコンプレックスや焦りを抱いていて、当時はほかのママとあまり話したくなかったですね。〔Aさん、子ども8歳(現在3年生)〕

入学後の学校生活の様子は?

小学校入学直後の様子や学校生活はどんな感じだったのか、子どもが抱える不安や困りごとなども聞いてみました。

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▽整列でずっと一番前

入学後は保育園の友達もいたし、すぐにほかの友達もでき、本人はなんのコンプレックスも感じることなく過ごしていたようです。

ただ、体育や朝礼の整列はいつも一番前なので、手を腰に当てるスタイル。「早く手を前に伸ばす前ならえがしたい」とボヤキつつ、一生懸命牛乳を飲んでいました。2年生になった今は、前から2番目。小学校低学年の間は、まだまだ体の発育に差があるのかな…。〔Oさん、子ども7歳(現在小2)〕

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▽まわりに圧倒されてしまった

保育園のときは同じクラスに4人早生まれの子がいたし、年長くらいからはまったくといっていいほど違いは感じなくなったのですが、入学したら、大きくて元気(やんちゃ?)な子がいっぱいのクラスに。 同じ保育園の子がいない学区だったし、コロナで学校生活にいろいろな制限もあったこともあり、末っ子体質(?)の息子はちょっと心細くなってしまったようです。「(体育の)かけっこ、一番遅かった~」と肩を落として帰ってきたときは、私もちょっと切なくなってしまいました。〔Iさん、子ども6歳(現在小1)〕

   ◇   ◇

▽大きくても元気ならいい! と思ってたけど…

体はほかの子どもより大きい息子。1年生の学校公開のとき、算数の授業の計算リレー(1+1程度の簡単な計算の答えを順番に言っていくだけ)で、息子がもたついて泣いてしまう場面がありました。ほかのお母さんの「あの大きい子、かわいいね~」という言葉に妙にショックを受けてしまったり(今思えば別にショックを受けることはないのに)…早生まれのせいにしてはいけないと思いつつ、普段から「身体は大きいのに~」なんて言われているのかな、と心配でしたね。「私が4月1日に産んじゃったからか」と悩んでしまったこともあります。〔Aさん、子ども8歳(現在3年生)〕

ママがしている対応や工夫とは

早生まれの子が抱えている不安に対するママの対応、あるいはまわりの子におくれを取らないためにしている工夫を聞いてみました。

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▽少しだけ先取り学習

早生まれの子にとって、「入学してすぐの頃は、年長さんになってすぐの頃に小学校の勉強をしているのと同じだ」と思い、年長になって少しした頃から、ひらがな・カタカナを読める、自分の名前はひらがなで書ける、数字は100まで数えられる、時計やカレンダーを読めるくらいの学習をしました。あまりガッツリやると嫌がるし、詰め込むのも可哀そうだと思ったので、半分遊びながらという感じで。
入学後は、ある程度分かっていたからついていけたし、「答えられた」という成功体験にもつながったようです。子どもより、私が早生まれを気にしすぎたのかもしれませんが…〔Oさん、子ども7歳(現在小2)〕

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▽小1になってすぐに運動系の習い事を

入学後、息子本人が急に「早生まれ」であることを意識し出しました。かけっこで一番遅い、身体も小さめなことが気になってしまったようです。そんなときに、私の姉が「かけっこクラブ」という運動系の習い事をすすめてくれました(姉の子どもが入っていた)。姉の子どもは運動コンプレックスから始めたようですが、運動が得意になって自信がついたそう。息子も体験に行って気に入ったので、週1で通うようになりました。

コロナ禍でいろいろ制限がある中、コーチがいろいろと工夫してくれたり、上手く褒めてくれたりして、息子も足が少しずつ速くなったり、鉄棒ができるようになったりしていく中で、学校生活にも自信が持てるようになったようです。〔Iさん、子ども6歳(現在小1)〕

   ◇   ◇

▽家でたくさん練習、先生と連携

本人は「身体が大きいのに」なんてことはまったく気にしていませんでした。でも、勉強面でちょっともたついてしまうこともあり、特にみんなの前で何かを言うのが苦手になってしまったようです。「他の4月生まれの子と比べて、(息子の名前)はほぼ丸1年違うんだから、ゆっくりやっていこう。その分、お家でちょっと練習しよう」と伝えました。

担任の先生にも「学校で何か発表形式のものがあるときは、事前に教えてください」とお願いして、みんなの前で何か言うときはほぼ必ず家で練習しました。それで少しずつ大丈夫になっていきましたね。小3になった今、いろいろなことに自信がついたようです。〔Aさん、子ども8歳(現在3年生)〕

   ◆   ◆   ◆

「早生まれ? そんなの関係ない!」そう思う方も多いと思いますし、実際、ある程度子どもが大きくなれば何の差も問題もなくなっていきます。

でも、小さいときってその半年~1年の差が大きく感じられてしまうこともあるようです。子ども自身は気にせず楽しく過ごしていても、親としてはどうしてもわが子の身体のサイズや発達のスピードなどを心配したり、必要以上に不安になってしまうことも。ほかのママたちと話が合わない、ついていけない、というモヤモヤを抱えてしまうこともあるかもしれません。

でも、早生まれだって個性のひとつだし、ちょっと小さいからたくさん可愛がられる、少し大きい子にいい刺激を毎日受けられるなど、他にもいいことはたくさんあります。ゆっくり長い目で、少しだけフォローを入れてあげながら成長を見守っていってあげたいですね。

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