結婚記念日に生後9カ月の愛犬が突然死…新たに迎えた保護犬で、ペットロスから立ち直った夫婦

山中 羊子s 山中 羊子s

 大阪府吹田市に住む三好さんご夫妻は昨年、結婚。結婚をしたら犬を飼いたいという願いを叶えて、保護犬を迎え入れ、やんちゃな子犬に手を焼きながらも楽しい日々を過ごしていました。しかし、飼い始めて7カ月後に突然の別れ。さっきまで元気だった愛犬が突然死したのです。しかし、悲しみのどん底に落とされたご夫妻を救ったのも保護犬でした。

ひとめぼれした子犬

 「結婚したら保護犬を迎えようね」と言っていた三好さんご夫妻。犬を迎えるための引っ越し先も昨年1月に決めました。そして、愛護団体の譲渡会へ。「実は、目当ての子が先に決まってしまって、どうしようかと思っていたら、別の仔犬にひとめぼれ」とご主人。まだ生後2カ月のモフモフした可愛い子でした。

 引っ越したばかりのペット可の部屋に連れて帰り、ブルーノ君と名付けました。想像以上にやんちゃでしたが、そこが可愛くて、2人はメロメロ状態に。「きちんと散歩ができ、呼び戻しなど最低限のしつけをしようと、しつけ教室にも6カ月の頃から通い出しました」。

突然の倒れ、その後は憔悴の日々

 しかし、別れはあまりに突然にやってきました。病気をすることもなく、食欲も旺盛で元気いっぱい、そんなブルーノ君でした。ある朝、ご主人を駅まで送りがてら、散歩に出た奥さん。ところがです。

 「さっき別れたばかりの妻から電話がかかってきて、慌てて妻のところに戻ったんです」とご主人。そこには泣き叫ぶ奥さんと意識を失ったブルーノの姿がありました。さっきまで元気に散歩していたブルーノ君が突然、倒れてしまったのです。

 まだ朝の7時前で、あちこちの病院に電話をしても診てもらうことができず、やっと8時にかかりつけの病院に連れていくことができました。

 「そのときはすでに、心肺停止でどうすることもできませんでした。原因不明で、子犬にたまにある突然死かも分からないといわれました」と奥さん。ブルーノ君はまだ生後9カ月でした。

 くしくも、その日はちょうど三好さん夫妻が1年前、結婚式を挙げた記念日でもあったのです。

ペットロスの夫を心配した妻

 その日から2人は何をする気も起きない、食欲もない、まさにペットロス状態。しかし、奥さんはそんな中でも、いつまでも悲しんでいてはダメだと、新たに保護犬をネットで探し始めました。それには理由がありました。

 「実家で犬を亡くしたときも家族みんなが悲しんで落ち込んでしまったことを思い出しました。それではダメと、主人の様子を見て、もし、仕事先で事故でも起こしたらと心配になって、新しく犬を迎えることを決めました」と奥さん。

 ある保護団体の譲渡会に出掛け、そこでまた、運命の出会いをしたのです。ご主人に寄ってきた1匹の犬は「徳之島で保護された子でガリガリに痩せていました。多分、辛い日々を送っていたと思うのに、人に対してとても大人しく優しい子でした」と、奥さんはそのときの様子を話してくれました。

 推定1歳から2歳のその子は徳之島ではワイルドな生活を送っていたかと思われ、迎えたころは毛は抜けて、野獣のようなにおいがしたそうです。「サニー君」と名付けられ、愛情をいっぱい受けて生活していくうちに、毛並みも戻り、においもなくなり、今では幸せな生活を送っています。

 「ブルーノの死で、いつ何が起きるかわからない。明日、突然、別れがくるかも分からない。そう思いました。だからこそ、悔いのない毎日をこの子と過ごしたいと思いっています」

 ブルーノ君との別れの悲しみは消えることはありませんが、三好さんご夫妻はサニー君から前向きに生きる力を受けています。

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