「どうしたの?お母さんは?」「きやぁ~」 仕事帰りに保護したガリガリの子猫は立派に成長

渡辺 陽 渡辺 陽

埼玉県に住む村上さんは、仕事の帰り道、1匹の子猫を保護した。子猫は骨にゴツゴツ触れるほどやせこけていたが、目はきらきら輝いていて、強い生命力を感じさせた。村上さんは、当初、保護施設に引き取りを依頼するつもりだったが、家族として迎えることにした。

 

道端でたたずんでいた1匹の子猫

2010年5月13日の夜9時頃、埼玉県に住む村上さんは、既に人通りが少なくなった道を自転車で帰路についていた。ふと道端で何やら動めくものを発見し、自転車を止めて見てみると、そこには小さな、小さな子猫がいた。

「どうしたの?お母さんは?」と聞くと、力なく「きやぁ~」と鳴いて返事をした。村上さんは、近くで母猫が見ているかもしれないと思い、一旦その場を立ち去った。しかし、どうしても子猫のことが気になり、少し離れたところから様子を伺っていた。しばらく待っても母猫はまったく姿を見せず、子猫はずっとその場から動こうとしなかった。

村上さんが、迷子かもしれない!と思い、もう一度「ひとりぼっちなの?お家くる?」と話しかけると雨が降ってきた。

「もう連れて帰るしかない!と子猫を持っていたスカーフでくるみ、自転車を押して自宅へ連れて帰りました」

ガリガリに痩せていたが、生命力にあふれていた

村上さんは、物心つく前から猫が好きで猫を見つけるとすぐに話しかけていた。ずっと猫と暮らしたいと思っていたが、重度の喘息があったことと、賃貸住宅だったことから、大人になって自分の家を持てたら、絶対に猫を迎えよう!と心に決めていた。家にはシェルターから迎えたぐりちゃんとろいくんがいた。

ふわふわに見えた子猫は触ってみると痩せこけていて、簡単にゴツゴツした骨に触れることができた。それでも目の輝きは生命力にあふれていた。歯の状態などから生後1ヶ月半くらいと思われたが、体重は380gしかなく、栄養不足だった。

ごはんをあげてみると、よほどお腹がすいていたのかむちゃむちゃと音をたててがっついて食べた。その夜はケージに入れていたが、母猫を呼んでいるのか大きな声で鳴き続け、そのたびに抱っこすると大人しくなった。村上さんは、一晩中そばについていた。2日目からは不安な様子もなくなり、警戒心より好奇心の方が勝っていた。先住猫のろいくんとは、すぐに親子のように仲良くなったが、ぐりちゃんは1匹でいるのが好きなので、我関せずという感じだった。

可愛くて手離せない

翌朝、保護施設に引き取ってもらうつもりで準備をしていたが、施設も満員だったので、もう少し家で面倒をみることにした。しかし、ふわふわでくりくりの目に見つめられたら、手離せるはずもなく、ほどなく我が子として迎えることしたという。村上さんは、子猫特有の可愛らしさにすぐにメロメロになった。

それまではちびちゃんという仮名で呼んでいたが、背中にある小さな白いプチがあり、小さくプチサイズであること、肉球がプクプクでクッション材のプチプチに似ていたことから名前は「ぷちくん」にした。

 

ぷちくんは、保護当時はやせていたが、またたく間に体重が増え、順調に成長した。天真爛漫でかなりのおとぼけキャラ。誰とでも仲良くなれるやさしい子だった。父猫代わりのろいくんからもらった愛情を後から来た子たちに惜しみなく分け与えた。

村上家の家族の会話はすべてが猫中心。猫が病気をすると自分の身を切るより辛くて苦しいが、何よりも守ってあげなければならない存在だという。

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