産前産後のママのためのスペシャル抱き枕!「ママをひとりにさせない」と全力支援する男性の思いとは

國松 珠実 國松 珠実

「ママをひとりにさせない」をモットーにしたケアサロンが兵庫県芦屋市にある。産前産後の女性を対象に、月にのべ100名ほどが通う「ママリュクス」だ。芦屋の他に全国58の加盟店がある。もともと出産後の体の回復を促すケアから始まったが、妊婦や妊活中の女性までを広く支援。さらに異業種間で手を組み、現在はスペシャルな抱き枕を開発中だ。代表の宮田雄平さんに話を聞いた。

 産前産後ママを全力で支援する

 柔道整復師という国家資格を持つ宮田雄平さんが代表を務めるママリュクスでは、産前産後専門のリハビリ整体を行う。また整体師をはじめ産婦人科医や助産師、ヨガインストラクターなど異業種同士が組んでママたちの支援体制を整えているほか、エクササイズや育児、発達セミナーなどを通じたコミュニティづくりにも力を入れる。

なんと手厚いと思ったが、海外では珍しくないという。例えばフランスでは支援チームによって、産後の女性に対するペリネ(骨盤底筋)ケアやリハビリが行われる。これが保険適用というから驚きだ。日本でも同様のケアや、ママ同士のコミュニティの場を提供するためにできたママリュクス。宮田さんは「本来備わっているはずの治癒力を引き出すお手伝いをします。お子さん連れでも託児室でお預かりできますから、ママは安心して施術に集中。そのため速やかな回復が見込めます」。

他にも出産、育児の経験を持った女性セラピストの育成や、一部が子どもの支援に充てられるグッズ販売も積極的に行っている。

 京都の老舗布団メーカーとの開発、ママのための抱き枕

現在、試作の最終段階に入っているという抱き枕について聞いた。特徴は2つ。

1つは170センチある枕の真ん中で、180度折れ曲がる形状だ。添い寝しながら授乳できたり、上体を起こした体を挟んで後ろ部分を背もたれに、前部分を授乳クッションとしても使える。

もう1つはクッション性。固すぎず柔らかすぎずと、羽毛の他にダウンやポリエステルなどの量を調整しながら混ぜ込んだ。絶妙のふわふわ感ながら体が沈み過ぎないので、即席のベビーベッドにもなる。

このスペシャルな抱き枕は京都の老舗布団メーカー、キムラが製作した。春頃から半年がかりで取り組み、11月からクラウドファンディングで製作資金を募る予定。ペット専用羽毛布団や専用ベッドも手がけるキムラの、蓄積されたノウハウが惜しみなく注がれている。ひとつ1万円前後で、オーダーメイドで承る予定だ。

 「ママが優雅になって子どもも笑顔に」と男性が発信する大切さ

 ママリュクスの設立は2016年。その前に勤めていた整骨院で宮田さんがよく耳にしたのが、長年腰や股関節の痛みに悩む年配女性たちの、「出産を機に悪くなった」という声だった。同じ頃、奥さまが第一子を出産。「でも私は毎晩帰宅が遅く、妻はいわゆるワンオペ育児。数年前に義母も他界し、心と体のダメージを引きずったままの育児は本当につらそうでした」。このままでは、妻もあの整骨院の女性たちと同じようになってしまう。その前に心身両面で支えるケアが必要と痛感したのが、ママリュクスのきっかけになった。

ママリュクスとは、フランス語で優雅なママという意味。フランスをはじめとする欧州だけでなく、アジアでは韓国や台湾も産後ケアが充実しているそう。

「日本人の意識も変わらなければ」というメッセージを、男性が発信することに意味があるという宮田さん。「日本では、男性がさまざまな業界の決定権を握っています。だからこそ男性の私が、女性の体のことや言葉にならない気持ちを代弁することで変えていくことができれば」と語る。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース