電気で応援!…月々の電気料金が安くなって、さらに難病の子どもを応援できる「新しい選択」

國松 珠実 國松 珠実

2016年から一般家庭でも電力会社が選べるようになった。とはいえ、どう選べばいいのか、どんなメリットがあるのかわからないという人も多いかも知れない。そんな中で、月々の電気料金が割引になるうえ、割り引かれた料金の一部が難病の子どもたちに寄付される新電力のOEMブランドがスタートした。その名も「メイク・ア・ウィッシュを応援するでんき」。

毎月支払う電気料金の一部が寄付に回るとはどういうことか。「メイク・ア・ウィッシュオブジャパン」のボランティア会員の一人であり、今回の主催責任者の狩野博明さんに話を聞いた。

 割り引かれた料金の2%が寄付に回る

 「今より月々の電気料金が安くなり、使った電気の2%が自動的にボランティア団体に寄付されます」という狩野さん。そのボランティア団体が「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」だ。米国が発祥で、難病と闘う子どもたちの夢をかなえる団体への支援資金となる。

この仕組みは、新電力事業に取り組むFTCエナジーの、社会貢献型電気料金の仕組みを活用したものだ。大手の電力会社に比べて設備コストや人件費がかからない分、引き下げが可能となる電気料金だが、「メイク・ア・ウィッシュを応援するでんき」では使用した電気代金の2%を支援に回す。

「わざわざお財布を開いて募金箱へ寄付するスタイルではありません。電気を使う私たちにとっては、安くなったなという感覚だけです。寄付した額は、月ごとの明細書に明記。いつの間にか寄付できる仕組みで、無理なく継続した社会貢献ができます」という狩野さんは、現在加入世帯1万件を目標にする。

 難病のオヤジが、難病の子どもを支援する

 10年前から難病に指定されている天疱瘡(てんぽうそう)に苦しみ、その影響で5年前には変形性股関節症に悩まされた狩野さん。

「若い頃は、野球でプロテストに合格したほどのスポーツマンだったし、大手ハンバーガーチェーン店でもディスポーザー(生ごみ処理機)の営業マンとしても、昼夜問わず働き詰めの生活でした。体力では誰にも負けない自信があった」という。妻の実家の家電販売店を継ぎ、約400軒の顧客の年齢層が高いこともあって電話一本で自宅を訪問、要望に対応していた。発症してからはフットワークの軽さを活かした営業が困難になり、周囲から店をたたんだと思われた時期もあったそう。

なんとか周囲に助けてもらいながら営業を続けていた時に知ったのが、新電力FTCエナジーだった。同時期に知り合いを通じて、米国発祥の難病の子どもたちを支援する団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」を知る。公益財団法人として、大手生命保険会社やクレジットカード会社ともパートナー関係のあるボランティア団体と知った狩野さんは、FTCエナジーのビジネスモデルを活用すれば子どもたちの大きな希望になると確信。自ら企画書を作成し、提携の実現にこぎつけた。

「難病と闘う子どもたちを見ていると、勇気をもらえる気がします。難病のオヤジが、難病の子どもを支援してもいいですよね」。

 使う側が、積極的に電気を選べる時代だ。同じ選ぶなら人の役に立つものをという人にとって、「メイク・ア・ウィッシュを応援するでんき」は心に響く選択かもしれない。

 ■メイク・ア・ウィッシュを応援するでんき
http://makeawish-yume.sakura.ne.jp/

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