「五六」…この名字、読めますか? 将棋のマス目をイメージ…「5六」の場所にある「歩」を進めると?

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「五六」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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数字だけでできた名字はいくつかあるが、難読度でいえば最強クラス。この名字、「五六」と書いて「ごろく」でも「ごじゅうろく」でもなく、「ふのぼり」と読む。超難解なこの読み方は将棋に由来しているといわれる。

将棋の盤は9×9=81のマス目でできており、場所を特定しやすいように、一番右上のマスを「1一」といい、左下の「9九」まで、各マス目には番号が振られている。

「五六」はこの「5六」に因むと言われている。「5六」の場所は、先手の中央の王の上にある歩の1つ上のマス目。従って、先手が初手で中央の歩を1つ進めるのが「五六歩」という手で、歩が1マスのぼるため「ふのぼり」となる。初手でこの位置の歩を進めるのは少数派である。

一方後手の場合は、「五六歩」が一つのぼると相手陣地に入って、金に成る。こちらも重要な場所である。

どちらが由来かはわからないが、このマス目から「五六」と書いて「ふのぼり」という名字が生まれたと思われる。

現在は宮崎県にある名字で、とくに西都市に集中している。

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