180度パノラマ絶景「水平線が見渡せる駅」が話題 写真を投稿したら…鉄道会社も驚く反響に

金井 かおる 金井 かおる

 駅ホームから180度のパノラマ絶景が臨める「水平線が見渡せる駅」がツイッター上で注目を集めています。「ここ感動しますね」「イイですよね水平線」「大好きな駅です」「懐かしい風景ありがとう」と共感を集めるスポットとはーー。

小説やCMの舞台にも登場

 「神戸の垂水には180度の水平線が見渡せる駅があります」

 ツイッターに投稿したのは、神戸市垂水区出身のイラストレーターこもりあやみさん(@ayami_setron)。夏の名残を感じさせる1枚には、兵庫県の瀬戸内海側を走る私鉄、山陽電気鉄道の「滝の茶屋」の駅名標と、バックには海と空が180度に広がります。撮影したこもりさんに話を聞きました。

 ――この写真はいつ撮影されたのですか?

 「8月24日、日帰りで垂水へ行った時に撮りました。夏の垂水の風景を残しておきたいという気持ちで、最初から滝の茶屋駅に行くと決めていました」

 ――この駅に思い出が?

 「駅から見える風景が元々好きなのと、森田季節さんの小説『ともだち同盟』の舞台になっていることから、神戸の中でも特別な駅だと思っています」

なぜか毎回人気…垂水区の写真

 ――撮影のときのエピソードがあれば教えてください。

 「実は西舞子のスターバックスから滝の茶屋駅まで徒歩で行ったんです。ざっと5kmほどでしょうか。熱中症にならないよう休憩を挟みましたが、駅に着いた頃は汗だくでした」

 ――なぜSNSで発信されようと思われたのですか?

 「滝の茶屋駅は地元では有名ですが、全国的に広まればいいなと思って今回発信しました。なぜかは分かりませんが垂水区の写真を投稿すると毎回反響が大きいです。自分のイラストよりも拡散される時もあります(笑)」

 「夏らしい雰囲気の良い写真が撮れたので、たくさんの人に見てもらえたのはうれしいです。個人的に、垂水の海は春と夏が一番美しいと思っています」

 ――CMなどの舞台にもなっています。今後、こもりさんの作品の中に登場する予定はありますか?

 「十分ありえます。山陽電車はイラストのテーマとして魅力的なので他の駅も積極的に描きたいと思います」

山陽電鉄「ここまで反響が大きくなるとは」

 滝の茶屋駅は、1917(大正6)年4月12日に開業。物語に登場しそうな名前の由来を調べていると、神戸市のホームページに次のような一節を見つけました。

 「かつて、東垂水から塩屋にかけて、水の滴りが絶えることがなかった滝があったことから、旅びとの多くは、ここでノドの渇きをいやすことを楽しみにし、明治時代までは船の飲料水に汲まれていたのです。この滝の所に茶屋があって、古山陽道をたどる人達が、淡路島を見ながら一休みしたのでしょう」(神戸市ホームページ「垂水区の概要 地名あれこれ」から引用)

 見晴らしのよさからロケ地としても人気。2019年には女優のんさんが出演した、神戸新聞社CMの舞台の1つにもなりました。

 山陽電鉄の広報担当者に聞くと、今回の投稿を把握はしていたものの、ここまで反響が大きくなるとは思っていなかったそうです。

 「滝の茶屋駅は眼下に海が臨める景観が美しいことから、これまでもプロモーションビデオ撮影や、当社主催の写真コンクールの撮影場所等でも利用されています。今回このように改めて多くの方に滝の茶屋駅のことを知っていただくことができ、当社としても大変嬉しいです」(広報担当者)

 同駅は車両撮影の人気スポットでもあるそうですが、気を付けたいのは撮影マナーです。

 「線路内など立ち入り禁止区域に立ち入っての撮影や、柵や黄色い線から身を乗り出しての撮影は電車と接触する恐れがあり、大変危険ですのでおやめください。また、電車の安全運行の妨げとなりますので、乗務員に向けたフラッシュと照明を使用しての撮影や、脚立や三脚、自撮り棒等を使用しての撮影についてもご遠慮願います」(広報担当者)

 くれぐれも安全第一でパノラマ絶景を楽しみたいですね。

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