くせ毛の天敵、街のミストシャワー かかるとボリューム1.5倍に…セット乱れテンションがた落ち 対策はあるのか?

辻 智也 辻 智也
「ミストが脅威です」と話すくせ毛の女性(京都市下京区)(2020年8月15日、京都市下京区・JR京都駅前)
「ミストが脅威です」と話すくせ毛の女性(京都市下京区)(2020年8月15日、京都市下京区・JR京都駅前)

 真夏の暑さを少しでもやわらげようと、バス停や店の入り口から噴き出す「ミストシャワー」。今夏のような猛暑では、涼しく感じられて快適だ。しかし、「すごく相性が悪いんです…」と、くせ毛の女性たちは嘆く。微小な水滴が髪に付くと、せっかくセットしたヘアスタイルは乱れ、あらぬ方向に髪がはねてしまうのだ。

 「ミストがかかると、髪のボリューム感が1・5倍くらいになっちゃうんです」。くせ毛でロングヘアの会社員女性(24)=大津市=は、外出時はなるべくミストシャワーの下を避けている。
 特に、毎朝アイロンで整えている前髪は、ミストがかかると外側に向かってはね、「すごく不快な気持ちになります」という。入り口に吹き出し口があるため、ミストを避けようがない店などでは手でミストを遮って通るが、「脅威です」と嘆く。

 見た目にはそれほどくせ毛には見えない主婦(36)=京都市北区=も、ミストの水滴が付くと「必死でアイロンで整えた髪がうねうねになる」。ミストシャワーが髪に付いてしまうと、「その日一日はテンションがた落ち」といい、「公共施設などでは、かからずに入れるゾーンも作ってもらえると親切かな」と話す。

 ミストシャワーは近年、涼感を出すためや熱中症対策として、店舗や公共施設の入り口、バス停などに設けられている。
 京都市は、バス停や動物園入り口など市内18カ所にミストシャワーを設置している。これらのミストシャワーは、おおむね28度以上で稼働する。周辺の気温を3度ほど下げる効果があり、熱中症予防にもなる。
 上水道の水圧で噴射しているため、光熱費はかかっていないという。市上下水道局によると、「髪が乱れるという趣旨のご意見は、把握していません」という。

 しかし、くせ毛の女性にとってはやっかいな存在だ。噴き出すミストに、どう対処すればいいのか。YIC京都ビューティー専門学校(京都市下京区)美容科教員の柳原優志さん(30)に聞くと、まずくせ毛の人のセットがミストで乱れやすい理由を解説してくれた。

 くせ毛の人は、髪の断面が円形をしておらず、その形によってくせが生まれる。アイロンなどで熱を加えてセットすると、くせを矯正することができるが、髪が水分を含むと元の形に戻ってしまう。このため、ミストの水滴のほか、雨や汗などでも元のくせが出てしまうという。

 こうしたセット乱れを完全に防ぐのは難しいが、ミストに触れたときの影響を少なくする方法がある。
 柳原さんは「水にぬれて髪が乱れやすい人は、カラーリングなどの影響でもともと髪が乾燥しがちで、ぬれた状態との差が大きい傾向がある」と指摘し、「お出かけ前のセット時に、乳液タイプの洗い流さないトリートメントをつけ、あらかじめ髪を保湿すれば、ミストなどでぬれたときの影響を小さくすることができる」とアドバイスする。

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