コロナ対策で事前予約制の美術展…これまでの鑑賞方法とどう違うの? 初開催の岡山県立美術館で記者が体験

山陽新聞社 山陽新聞社

 新型コロナウイルスの影響で入館制限を余儀なくされている美術館。岡山県立美術館(岡山市北区天神町)でも開催中の特別展「高畑勲展 日本のアニメーションに遺(のこ)したもの」は、同館で初めて完全予約制を導入するなど徹底した対策を講じている。これまでの鑑賞スタイルとどう違うのか。実際にインターネットで予約し、館内を巡ってみた。

 鑑賞の前日、スマートフォンから予約サイトにアクセス。希望日を選択すると15分単位で予約時間帯が表示され、空き状況も確認できる。時間を選んで連絡先などを入力したら、すぐにQRコードのアドレスがメールで届いた。入場にはこのQRコードと、コンビニや同館窓口で購入する鑑賞券が必要だ。

 当日は余裕を持って会場へ。15分以上遅れると予約が無効になるので注意を(後の時間に空きがあれば、その場で再予約可能)。入館者はマスク着用が義務付けられ、スタッフの多くはフェースシールドを装着している。間隔を保って待機できる地階に誘導され、QRコードや鑑賞券を示して入場した。

 会場には岡山市で少年期を過ごした高畑監督ゆかりの千点を超す資料がずらり。「アルプスの少女ハイジ」「火垂(ほた)るの墓」など、なじみ深い作品の創作過程が分かる貴重なノートやメモ類、原画などが待ち受けている。水曜日の午前9時台に訪れた会社員男性(48)=同市=は「人の少なそうな時間帯を選んで予約した。少し手間ではあったが、想像以上にゆったり見られる」と満足そう。

 このほか、サーモグラフィーでの体温チェックや各所への消毒液の用意、物販コーナーなどへの仕切り板の設置といった対策も。混雑とは無縁で、安心して日本を代表するアニメーション監督の世界に浸れた。

 ただ対策を講じる美術館側の負担は小さくない。サーモグラフィーなどの機器や飛沫防護設備の用意に加え、受け付けや誘導に従来の特別展より7人多いスタッフが必要となっている。

 さらにコロナの再拡大が影響してか、1日最大千人程度が予約できるが、開幕1週間の来館者は平均約400人にとどまる。平日午後は特に余裕があるといい、同館の渡辺茂総務課長は「事前に空き状況が分かる予約制度の利点を生かし、多くの人に安全に、岡山ゆかりの高畑監督の足跡をたどってほしい」と話している。

 特別展の会期は9月27日まで(9月9~20日を除く)、無休。午前9時~午後5時(14、15、28日、9月25日は同7時まで延長)。

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