全国でも珍しいピーコック噴水の夏景色は最後? 岡山駅の路面電車乗り入れで撤去へ

山陽新聞社 山陽新聞社

 JR岡山駅東口広場で桃太郎像とともに待ち合わせスポットとして知られる「ピーコック噴水」。市民に“涼”を提供する夏にこの景色が見られるのは、今年が最後かもしれない。岡山市による広場への路面電車乗り入れ計画で、2021年度以降の撤去が決まっているからだ。

 リュックを背負った若者はデートだろうか、クールビズのサラリーマンは仲間との待ち合わせか―。ピーコック噴水の縁や周辺は、夕方や夜になると待ち合わせの人影が絶えない。ただ、以前より間隔が離れて見えるのは、コロナ禍の影響なのだろう。

 ピーコック噴水は1975年に造られた。名前の通り、羽を広げたクジャクのように、球形に広がる水が何とも優美だ。噴き出す水は直径約4メートル。整備を担当してきた機械機器専門商社・備商(岡山市南区福成)によると、ここまで大型のピーコック噴水は全国でも珍しいという。

 その分メンテナンスは大変で、年に1回は2、3日かけて点検する。531本のノズルを全て取り外して清掃。傷みの進んだノズルを交換して再び組み立てる。

 社長の上野雅史さん(45)は「噴水は多くの人に愛されてきた。最後の日まで美しい姿でいられるよう、誇りを持って整備したい」と話す。

 駅前の路面電車乗り入れ事業は、軌道を引き込み、駅に直結した停留所を新設する。岡山市は2021年度以降に噴水などの撤去に着手、後楽園をモチーフにした広場の再整備を含め、22年度中の完成を目指す。新幹線開通に合わせて1972年に設置された桃太郎像は、再整備した広場の停留所近くに移設される予定だ。

 噴水近くにいた岡山大1年女性(18)は「夏は近くにいると、しぶきが当たって心地いい。噴水がある風景が当たり前と思っていたので残念」と惜しむ。

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