草むらで大声で鳴いていた子猫を保護 世話をしたら手放せなくなり17年間一緒に

渡辺 陽 渡辺 陽

子猫のミーちゃんは、「誰か助けて~!」と草むらで泣き叫んでいた。たまたま通りかかった児玉さんは何匹も猫を保護した経験があり、ホームセンターで必要なものを買い揃え、ミーちゃんを助けた。ガリガリにやせていたので、まずはしっかり食べて力をつけることにした。

 

助けて!と泣き叫んでいた子猫

2003年9月23日、大阪府に住む児玉さんは、夫の剣道の試合の観戦に行った。会場の体育館近くの草むらから、張り裂けんばかりの猫の声が聞こえてきた。ニャアニャアという鳴き声ではなく、ミャー!ミャー!!という叫び声だった。猫を囲んでいる子供たちがいたので、「どうしたん?」と尋ねると、「捨てられていた」と言う。「大丈夫?保護できるの?」と聞いたが、興味はあっても飼えないようだった。児玉さんは、「私が保護するわ」と言い、近くのホームセンターでダンボール箱やシーツ、タオルなどを買い揃えた。

「何匹も猫を保護したことがあるのでなれていました。最後の力を振り絞って大声で鳴いていたのだと思います」

手放せない

大声で鳴いていたので、名前はミーちゃんにした。

「捨てられてから何も食べていなかったようで、ガリガリにやせていたんです。里親を探すとかうちで飼うとかいうより、とにかくまずは元気になってもらおうと思いました。離乳していて、キャットフードをもりもり食べてくれました」

そうこうしているうちに、児玉さんはミーちゃんに愛着がわいて手放せなくなった。

「一応、里親さんも探したのですが、本気で探すことはありませんでした。保護した猫を手放せなくなるタイプなんです」

残された時間は長くない、後悔しないように

ミーちゃんが来た時、面倒見のいい先住猫がいて、その子たちがミーちゃんの遊び相手になってくれた。ミーちゃんは、びびりだが攻撃的ではないので先住猫と共存できたという。

ミーちゃんは、先月17歳になった。

「まだ老猫感はないのですが、長い間一緒に暮らしてきて愛着もあり、衰えていく姿を見ると切なくなります。猫の寿命を考えると、残り少ない年月、楽しい思い出をたくさん作りたいと思います。後になってああしてあげたらよかったとか後悔しないように触れ合ったり、ミーちゃんが喜ぶことをしたりしてあげたい。2階から3階まで階段を上る時、たまによろけているのですが、なんだか切ないような愛おしいような気がします」

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