「神になりたかった」3人殺傷容疑者の素顔は「おとなしい」「勤務まじめ」…小川泰平氏が地元取材

小川 泰平 小川 泰平
静岡県菊川市内にある青野容疑者の自宅(撮影・小川泰平)
静岡県菊川市内にある青野容疑者の自宅(撮影・小川泰平)

 愛知県豊橋市の県道で草刈り作業の現場に乗用車が突っ込んで3人が殺傷された事件で、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された青野圭容疑者(27)が「殺したかった。神様になるため」などと供述し、自宅のある静岡県菊川市から西に約65キロ離れた現場まで車で移動していたことが分かった。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は事件発生後の7月末に静岡県内の容疑者の実家や自宅、勤務先などで取材を重ね、1日、当サイトに対し、地元の反応や謎に包まれる動機について解説した。

 豊橋署は、死亡した愛知県田原市の警備会社社員(46)に対する殺人容疑と、負傷した男性2人に対する殺人未遂容疑で青野容疑者を送検。同容疑者は容疑を認め、「神になりたかった。誰でもいいから人を殺したかった」などと供述しているという。同容疑者が勤務する自動車部品製造会社によると、昨年4月に採用され、静岡県菊川市の工場で7月23日まで勤務していたという。

 小川氏は「容疑者の静岡県掛川市の実家と現住所の菊川市に行ってきました。菊川市の自宅から職場まで3・5キロで、車で約10分程の場所です。職場の上司の話では『無遅刻、無欠勤で(勤務態度は)問題なかった』とのこと。職場では不審な行動や言動はみられない。職場の顔とは別の顔があったのか、その辺りが取り調べのポイントの1つになるでしょう」とリポートした。

 また、同氏は「中学時代の1学年下の人にも話を聞けましたが、『全く記憶にない。ニュースを見て、地元の人なので気になったくらい』ということでした。実家にも行きました。家族5人が暮らしているとのことで、人影はありましたが、家族から話を聞くことは出来ませんでした。近所の方の話では『おとなしい人というイメージしかない。家庭内でトラブルの話も聞いたことがない』ということでした」と取材を通して得た情報を示した。

 今回の事件で注目されたのは、自身を「神」とする供述。小川氏は「ポイントとして動機が何だったのかということになる。本人は警察の調べに『神になりたかった』などと意味不明の供述をしており、今後、刑事責任能力に関しての鑑定もされると思います。その供述内容から、薬物検査もしていますが、捜査関係者によると、現時点で薬物反応は出ていないということです」と明かした。

 さらに、もう1点、不可解な点として、小川氏は「なぜ豊橋に行ったのか」と指摘。同氏は「青野容疑者は『誰でもいいから殺したかった』という供述もしており、愛知県警では無差別殺人として捜査しています。『誰でもいい』のなら、静岡県の菊川、浜松、掛川など、勝手知ったる地元で犯行に及ぶところだが、愛知県まで行っている。その行動も含め、動機について慎重に取り調べが進められるでしょう」と説明した。

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