尻尾がちぎれかけていた子猫を保護 手術代35万円を家族みんなで工面して回復

渡辺 陽 渡辺 陽

仕事の帰り道、偶然出会った野良猫の子猫を保護した長尾さん。あまりにも可愛かったので飼いたいと思ったが、家に連れて帰ると尻尾がちぎれかけ、大けがをしていることが分かった。手術をしたら子猫は元気になり、2匹の先住猫に妹のように可愛がられている。

 

雨の中鳴いていた可愛い子猫

大阪府に住む長尾さんは、はちくんとれおくんという2匹の猫を保護して飼っていた。2019年6月27日の19時半ごろ、仕事の帰りに自転車に乗って信号待ちしていると、猫の鳴き声が聞こえた。声がするのは、家の近くの公園の入り口のあたりだった。

「ちょっと探してみたら、可愛らしい子猫がいたんです。ものすごく可愛いので飼いたいと思って捕まえようとしたのですが、ぴょんと逃げていきました。あきらめて自転車に乗ったら、また猫の鳴き声が聞こえて、フェンスのところにちょこんと座っていました」

バッグに入っていたペットボトルをおもちゃのように振るとおそるおそる近づいてきたので、子猫を捕まえ、かばんの中のものを全部出してバッグに入れた。子猫は嫌がってニャアニャア鳴いた。

家に帰ると、手はかきむしられ、噛まれたので血が出ていたという。

大怪我をしていた

バッグのひもを緩めて子猫を出すと、子供たちは「えっ!何これ、どうしたん?」と言って驚いた。子猫は尻尾が半分ちぎれていて、骨が見えていた。跳ね回っていたが、脚を引きずっていた。公園には猫を狙うカラスがいるので、カラスにやられたのかもしれない。

翌日病院に連れて行くまでに名前を決めなければと思い、「むぎ」と名付けた。強く生きていくようにと三女が考えた。

「はちとれおは男の子なので、初めて女の子と暮らせると思うと嬉しくなりました。女の子ってくにゃくにゃ、ふわふわしていて本当に可愛いんです」

優しい先住猫と女王様

翌朝、三女がむぎちゃんを動物病院に連れて行った。生後2カ月くらい。尻尾は切断しなければならず、左後ろ脚と太もものあたりの骨を1本骨折、1本はひびが入っていた。手術代は35万円かかると言われたが、手術をしても治るかどうか分からなかった。自然に治るかもしれないと言われが、長尾さん一家は、みんなでお金を出し合って尻尾の手術をしてもらい、脚は様子を見ることにした。むぎちゃんは、その日のうちに無事手術が終わり、家に帰った。

しばらくケージに入れて養生させたが、やがてむぎちゃんは元気になり、脚も治った。先住猫のはちくんとれおくんは、むぎちゃんのことを可愛がってグルーミングした。むぎちゃんは元気になると、「遊んで!」とはちくん、れおくんを追いかけまわした。はちくんの誕生日に買ったハンモックはむぎちゃんが占拠し、キャットタワーの一番上もむぎちゃんのお気に入りの場所になった。それでも、はちくん、れおくんはむぎちゃんに怒らない。優しいお兄さんなのだという。

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