京都の親族から贈り物届く→「この夏は帰ってくるな」と察知 無言メッセージが難解過ぎる

佐藤 利幸 佐藤 利幸

コロナ再拡大で東京都・小池知事が連休前から「外出はできるだけ控えて」と都民に呼びかけているのを横目に、東京除外の「Go To トラベル」キャンペーンは22日に強行スタートされました。そんなちぐはぐな状況のなか、「東京都在住の京都市内出身の男」さんがTwitterに投稿した「京都の親族が夏のいろんな物を送ってくれた。もちろん『この夏は京都に帰ってくるな』という意味だ」が話題になっています。

リプ欄には、このやり取りについて「奥ゆかしいお話ですね。京のぶぶ漬けを思いだしました。直截の表現を避け良好な人間関係を保つ知恵ですね」と関心する意見がある一方で、京都出身以外の人は「驚きの声」を上げていました。

▼他県出身者から「驚き」の声

「え?そんな意味合いになるんですか?贈り物が…」
「実家から通りもん送られてきたら、『そろそろ帰ってこい』の意と受け取る・・ by九州人」
「20数年前に京都出身の方にプロポーズされた。断って正解だった。ガサツな関東人の私じゃ、嫁姑戦争不可避だった。あ、関東人がガサツなのでは無く、私がガサツって事です。笑笑」

▼京都出身者から「分かる」の声

「京都人で東京住みです。わかります!これはしっかりと帰省するなと言われてますね。京都由来のものを食べると、余計に帰省したくなりますが…」
「さすが京都人同士、わかっていますね。他所の人間にはこの無言のメッセージは難しい」
「京都人です。もちろん帰ってくるなと言う意味もあるかもしれませんが、帰りたくても帰れないという事を汲み取っていたのであれば、せめて京都の物を送ってあげれば少しは帰った気分になれるのではないかと思われたのかなと思います。この状況では移動にもリスク伴いますし心配の意味もあるかと」

   ◇   ◇

まいどなニュースは、県民性に関する数々の著書を世に出している編集者、出版プロデューサーで株式会社エディットハウス代表取締役の岩中祥史さんにお話をうかがいました。

−−贈り物に込められた無言のメッセージがSNSで話題になっています

「他の地域の人にとっては不可解なことでしょうが、何も言わなくても、京都人同士ならそう受け止めるでしょうね」

−−なぜ、京都の人はストレートに言わないのでしょう

「千年の都、長らく国の政治の中心だったことで京都の人はプライドが高いです。都人(みやこびと)としての血、遺伝子が受け継がれているんだと思います。角が立たないようにソフトにソフトに振る舞い、発言します。特定の敵を作らない。そうしないと島国では上手くやっていけなかったのです」

−−なるほど、奥が深いですね

「京都の人は学生をすごく大事にします。町内に学生がいると、近所の人は差し入れをしたり、下宿の前を掃除したり、引っ越しの手伝いまで。これは学生さんが先々、どんな立場に立っているか分からない。後になって自分にどう作用するか分からない。だから時間と空間を超えて、大切にしているのです」

−−都の“先輩”として、京都の人は、東京の人をどう見ているのでしょうか

「オブラートで包む京都人の美的感覚からすると、東京の人は“新参者”で、こなれていないと思っているのではないでしょうか。ただ、東京の人もこれから(首都として)300年、500年経つと変わってくるかも知れませんね」

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