「キジ猫と暮らしたい」一心で新しい部屋に引っ越し 納骨堂で保護された子猫たちと念願の「猫がいる生活」

渡辺 陽 渡辺 陽

大阪府に住む清水さんは、当時付き合っていた彼の犬の納骨に行ったら、納骨堂で猫たちの里親を募集していた。母猫と子猫がいて、1匹の子猫には、昔飼っていた猫の面影があった。抱っこすると胸にしがみついてきて愛おしく思えた。

納骨堂で里親を募集

2018年12月2日、大阪府に住む清水さんは、以前付き合っていた人の犬が亡くなったので一緒に納骨に行った。納骨堂の受付の横には、2段ケージに入った母猫と5匹の子猫がいた。

「なぜこんなところに猫が?」と思って聞いてみると、納骨堂の職員と猫を保護した人が知り合いだったので、納骨堂のスペースを借りて猫の里親募集をしているのだという。

母猫を保護した時にはすでに妊娠していて、2018年11月2日、子猫が生まれたそうだ。生後1カ月。黒猫の雄が4匹、キジ猫の雌が1匹いた。黒猫たちは一緒に遊んでいて、キジ猫は眠っていた。

キジ猫は、清水さんが子供の頃に飼っていた猫にそっくりだった。「抱かせてください」と言って抱っこさせてもらうと、子猫は胸元にしがみついてミイミイ鳴いた。

清水さんは以前から猫を飼いたいとは思っていたが、仕事が忙しく、ほとんど家にいなかった。その後、転職したので猫を飼う余裕ができたが、ペット不可のアパートに住んでいたのですぐに飼うことはできなかった。「あのキジ猫と暮らしたい」と思った清水さんは、翌日から部屋を探し始めた。2週間後には新しい部屋を契約し、1月末に引っ越した。

「キジ猫だけ飼おうと思っていたのです。でも、保護主さんが留守番中寂しくないように2匹飼ったほうがいいと言うし、知り合いにも1匹で飼うより多頭飼いしたほうがいいと言われたので、キジ猫と仲のいい子猫を選んでもらいました」

多頭飼いしてよかった

2019年2月2日、清水さんは猫を引き取りに行った。子猫たちは、母猫と離れて不安だったのか、キャリーバッグの中でニャアニャア大声で鳴いた。

「あまりにも激しく鳴いたので電車に乗ることができず、タクシーで帰りました。家に着くと屋根のついたトイレの中に入って震えていました」

キジ猫をむぎちゃん、黒猫をごまちゃんと名付けた。

しかし、翌日の夕方にはトイレから出てきて自由に歩き回り、探検した。

「2匹だと一緒に遊べるし、ストレス解消にもなるようです。病院代やフード代は2倍になりますが、幸せも2倍です」

むぎちゃんはびびりで神経質。お客さんが来たら、すぐにベッドなど家具の隙間に隠れてしまう。ごまちゃんは玄関のチャイムが鳴ると驚いて逃げるが、すぐに出てきてごろんと寝転がっている。

清水さんは、以前は思いついたら旅行に行っていたが、いまはむぎちゃん、ごまちゃんを置いて旅行に行きたいと思わなくなったという。少しでも一緒にいる時間を増やしたいので、仕事が終わったらまっすぐ家に帰るようになった。4月からは新型コロナの影響で在宅勤務になったので一日中一緒にいられる。かまい過ぎてたまにけむたがられるそうだ。

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