千鳥・ノブ…芸人目指すと打ち明けたとき、心に刻んだ親からの戒め「借金」「クスリ」「女」

山陽新聞社 山陽新聞社

 岡山県出身の人気お笑いコンビ「千鳥」のノブさんの父・早川勝治さん(73)と母・千代子さん(73)=井原市=に、ノブさんの子ども時代を語ってもらった。

 私たちは1972年に25歳で結婚し、翌年に長男が生まれました。そこから3歳ずつ離れて次男、三男ができたんです。末っ子がノブです。兄弟が3人いると、親が何も言わなくても、助け合いながらいろんなことを学んでくれたんでしょう。

 小学4年から3人とも野球を始めました。上の2人は高校まで、ノブは中学まで野球部、高校はサッカー部でした。中学校の野球部で、次男が1、2年生の時、3年生から後輩に対する厳しめの“指導”があったみたいです。でも自分が3年生になった時、「わしが同じ事を下級生にしたら、来年、中学に入るノブがやられるから」と我慢したようです。

 「ようです」というのは、当時は親に一切言わなかったから。大人になってから少しずつ聞きました。兄弟で互いに思いやりながら成長してきたんだと実感しました。

 きょうだいがいると、最初の子は写真が多くて、だんだん少なくなると言うでしょう。うちは違う。3人とも写真の枚数は同じくらいだし、ノブの服や靴も極力、お下がりは使いませんでした。もしかしたら、兄弟ずっと仲が良いのはこのおかげかもしれません。

親の背中

 共働きで忙しかったせいもあり、3人に特別ああしろ、こうしろとは行ったことはありません。子どもは勝手に私たち両親の背中を見て学んでくれたんだと思います。

 ノブをはじめ、兄弟3人は勉強もスポーツも普通で、真面目でした。それでも男の子だから小さい頃はいたずらもします。人に迷惑をかけた時は、私と一緒に謝りにいきました。親が「すいません」と頭を下げる姿をノブに見せました。すると帰り道にノブが涙を流して「ごめんなさい」と言うんです。その涙から、反省した気持ちが伝わってきました。

 親が謝る姿を見せたかったわけじゃありません。でも見せて良かったと思います。自分がどれだけ悪いことをしたか気づかせるには、一番効果があったのかなと思います。

ずっと子ども

 ノブももう40歳。29歳で結婚し、子どもが2人います。東京のノブの家では親の顔になっているだろうけど、私たちにとっては、いつまでも子ども。かわいいし、心配です。

 「大阪に行って芸人になりたい」と言い出した時はびっくりしました。高校を卒業し、福山市の工場で働き始めてから1年くらい過ぎた時のことでした。

 親としては、子どもには会社勤めをして、安定した給料を稼いで、普通に暮らしてほしいというのが願いでした。だいぶ反対したけど、どうしてもあきらめなかった。最後はこちらが折れて、大阪のアパートを借り、公共料金を引き落とす通帳を作るのに気持ちだけ入金してやって。最低限のことだけして送り出しました。

 注意したのは「高利貸の借金はするな」「クスリに手を出すな」「女には気を付けろ」の三つだけ。高校時代から付き合っている嫁さんが大阪に就職し、その支えもあって守ってくれたようです。

 今は休みもほとんどないくらい忙しいようですが今年の1月下旬の日曜日、突然家族で実家に帰ってきました。急に休みができて「墓参りをしようと思って」と。実家のすぐ近くに住んでいる長男、次男の家族も集まりました。日帰りでしたが楽しかったですよ。いつも「先祖を大切にしろ」と言い続けてきた成果でしょうか。

 親としては、有名になったこと以上に、子ども3人が結婚し、それぞれ2人ずつ子どもができ孫が6人になったことのほうがうれしいんです。私たちのような古い人間の感覚で「普通の幸せ」をつかんでくれたことが、何よりもね。

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