「お手」「おすわり」「待て」を完全習得した“犬のような猫” 大好物も犬用ジャーキーで8キロ超に

山中 羊子s 山中 羊子s

 公園をさまよっていた生後約1カ月のオスの赤ちゃん猫が保護活動団体に助けられた。運良く、すぐに譲渡先も見つかった。受け入れてくれたのは愛犬を亡くしたご夫婦。「猫の保護活動を知り、ぜひ、我が家で育てたい」と積極的に譲渡を希望されていたのだった。

ワンちゃんみたいな猫になっちゃった!

 最初に飼い主さんが声を挙げたのは「小さいね」。実際、そのときは、お味噌汁のお椀に入るぐらいの大きさでした。早速、獣医さんのところで健康診断を受けると「問題なし」とのお墨付き。そして、ご夫婦のマンションが赤ちゃん猫の我が家になり、名前は「ニャン太郎」になりました。

 生後1カ月ちょいで家猫となり「完全室内飼い」生活がスタートしたわけです。これまで犬しか飼った経験がない飼い主は当然のごとく!?「お手」「おすわり」「待て」などを猫ちゃんに教えました。猫ちゃんも素直に受け入れ、しつけをあっさりマスター。いまでは完璧にこなしているそうです。

 何しろ、ニャン太郎がこの家に来てから、いままでに会ったことがあるのは飼い主の人間2人と、時々預かる犬2匹のみ。結果「猫」という生き物に出会うことなく育ちました。なので猫としての自覚というか、アイデンティティーがないようです。

 しかも、このオス犬2匹とは、すぐに意気投合。じゃれ合ったり、追いかけごっこをしたり…唯一の友達となりました。寂しくないのは彼らのおかげです。

 当然、食べ物の好みも似てきます。犬の食事を横取りして食べたらおいしかったのか、ドッグフード系にハマってしまい、好物はなんと犬が好むジャーキー類になってしまいました。反対に猫の好物といわれる魚などは大の苦手で、カリカリのキャットフード以外はほとんど食べられず、焼き魚やカツオ節、チリメンジャコといった類いはすべてダメです。

幸せ太りで8キロ超え

 手のひらサイズだった猫はドッグフードのおかげか、すくすくと成長。3年経ったいま、病気ひとつせず、体重8キロ超のヘビー級猫に成長しました。そのせいで、キャットタワーは体重の重みで折れてしまい、高さ180センチの“2代目タワー”もいまや、ぐらぐら状態になっています。

 このままではヤバいと飼い主の奥様も思ったのでしょう。毎週、猫草を植え、これをサラダ替わりにして食事前には食べているといいますが、ダイエット効果はなし。体重は全く減る様子がありません。もしかしすると、運動不足が原因かも。いや、それもあるでしょうが、ニャン太郎が一番大好きなのは、遊ぶこと、食べること以上に寝ることです。

 「よく寝る子」が「寝子」となり「猫」になったという説があるそうですが、ニャン太郎の場合は「寝る子は育つ」を地で行き、幸せ太りのわんぱく猫になったみたいです。くれぐれも病気にはならないでね。

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