ママも興味津々…電車好きな子は賢くなるって本当? 弘田福山市立大准教授に聞いた

山陽新聞社 山陽新聞社
電車を眺める親子連れ=倉敷市
電車を眺める親子連れ=倉敷市

 「電車好きな子は賢くなるんですよ」―。思わず「ん?」と首をかしげそうな説を、福山市立大(広島県)の弘田陽介准教授が提唱している。男の子を中心に、幼児期に電車に興味を持つ子は多く、「鉄道オタクになったらどうしよう…」とわが子の将来を心配する母親にとって朗報だろう。その理由を聞いた。

 ―弘田さんは3人の男の子(現在中3、小6、小3)を育てている最中です。長男、次男がかなりの電車好きだそうですね。

 どちらも0歳からおもちゃの電車で遊び始めました。赤ちゃんの時に初めてしゃべった言葉は、それぞれ「電車」と「JR」。ネタみたいな話ですが、本当です。私の専門はドイツ教育哲学だったのですが、愛する息子の姿を見るうちに、研究対象になっていきました。

 ―電車好きな子が賢くなるという理由は?

 子どもの発達に役立つ能力に「認知スキル」というものがあります。一般的に記憶力や理解力のことです。中でも、覚えた物事を一定のルールに従って分類し、頭の中に整理して保存する「知識の棚」と呼ばれる能力が最も大切になります。

 例えば、車両の色、形はもちろん、線路の幅などの規格、走る速度…。子どもは電車にまつわるさまざまな知識を図鑑などで見て、個別の特徴を認識します。その情報を処理し、頭の中の「棚」に収めることで、覚えたことを引き出しやすくなります。

 ―「知識の棚」と賢さや学力の関係は?

 例えば数学の問題を解く時、自分で新しい解法を発見する人はごく一部。問題をパターンに分け、過去に解いた問題を思い出した上で応用する人が大半です。必要な知識を「知識の棚」から効率的に取り出す能力を、鉄道好きな子は自然に身につけられます。

 ―電車好きというと、協調性がいまひとつというイメージもあります。

 賢さや学力だけでなく、電車好きを通じて「やり抜く力」「協調性」「思いやり」自制心」といった「非認知スキル」も獲得できます。

 例えば、おもちゃの電車で一緒に遊ぶことで親子の絆が生まれます。電車を見に行き、同じ対象物を見る「共視」によって、他者がどう思うかを感じ取る力が育ちます。電車に乗れば、席を譲るなどして弱者をいたわる、整列して並ぶ、踏み切りで待つなど、さまざまな行動を通じて社会的なマナーやルールを学ぶこともできます。

 ―親の関わり方で、ポイントになることはありますか?

 認知スキルは、放っておいても自然に上がります。ただ非認知スキルは、人との関わりの中で高まるので、一緒に電車を見にいく、きっぷを買って乗ってみるなど、子どもが実際に体験することで、吸収の度合いは増していきます。親がうまく促してあげましょう。

 ―電車好きの子を持つ親に向けてメッセージを。

 私の調査では、電車への興味は0歳から始まり、4歳ぐらいで、そのまま夢中であり続ける子と、別のもの、例えばテレビのヒーロー、スポーツ、ゲームなどに関心が向かう子に分かれます。子どもが幼い頃は、神経質にならず見守ってください。

 余談ですが、灘(神戸市)や開成学園(東京)といった高い学力で知られる私立中高一貫校にはたいてい、活発に活動する鉄道研究部が存在しています。だから、電車好きであることを受け入れ、一緒に遊びながら、自信を持って育ててください。

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