売れなくてやめたお弁当が「シブすぎる」と話題…ネーミングセンスも謎すぎるスーパーの担当者に聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 スーパーマーケットのナガノヤ ウメコウジ(@naganoya_yuta)のお弁当がSNSで話題になっています。「昨年こんなお弁当も作りましたが、全く売れなかったのでやめました。」というお弁当は、ごはんに梅干、めざし、卵焼き、魚肉ソーセージ、塩昆布という、素朴で大胆な構図の「昭和初期弁当」。このなかなかシブいお弁当に、1.8万リツイートと9.3万いいねがつきました。

 リプ欄には「容器が『昭和初期』ではないから。」「赤ウインナーだったらイケるかも(((^^;)))「桜でんぶをかけて『メイちゃんのお弁当』にすれば売れたかも?」「たくあんも欲しいですね」「内容は別に悪くないけど見栄えが・・・」と、売れなかった原因を考えるみなさん。ちなみに、昭和初期に魚肉ソーセージはないのでは?という指摘を受けて、「安易に『初期』を付けたのは間違いでした、ごめんなさい。」とナガノヤ ウメコウジさんは素直に謝罪されています。

 そして、「普通に売ってれば買うよ こんな弁当が俺は食べたい!!」「私は食べても良いですよ!!」「何故売れると思った」「これはこれで美味しそうですよ。懐かしき感じ」「渋すぎて手が出せない( *´艸`)」と賛否両論ながら、食べたいという人がずらりとならびました。宮崎県でスーパー「ナガノヤ」と「ウメコウジ」を運営する「永野」(宮崎県宮崎市)の担当者さんに聞きました。

 ──「昭和初期弁当」はそんなに売れなかったんですか?

 そうですね、なんか毎日残っていましたね。閉店前に割引にするじゃないですか。ほかのお弁当はきれいになくなるんですけど、半額のシールを貼っても残ってたりしましたね(笑)。

 ──でも、リプでは食べたいという人も多いようでしたが…。

 それで作ったら売れるかも?と作っちゃうと、たぶん失敗するでしょうね(笑) わからないですよ?わかんないですけど…はい。現在は、各店でお弁当がかなり売れていて、手焼きの卵焼きとか手のかかるお弁当を追加できませんが、品名と内容を変更して、新しい商品として出す可能性はあります。

 ──ほかのお弁当がびっくりするくらい安いのに、「昭和初期弁当」が350円は高いという話もありましたね。

 できるだけお客様に安く提供しようという方針で、値段を設定したのは昨年の12月くらいからなので、「昭和初期弁当」はそれ以前の商品なんですよね。それでも結構努力はしたんです。質素なお弁当は安くできるイメージだと思いますが、作り込んでいくと意外と値段が高くなってしまって…。

 ──なるほど。今販売しているお弁当の中では、どのお弁当が一番人気ですか?

 一番人気は圧倒的に「逆ギレ弁当」です。

 ──「逆ギレ弁当」って?(笑)

 「逆ギレ弁当」は、チキン南蛮や「反復横跳びメンチカツ」、から揚げとチキンカツなどの種類がたくさんある、ごはんが入った250円のお弁当です。

 ──えっ、ちょっと待ってください。今度は「反復横跳びメンチカツ」ですか?

 はい。「反復横跳びメンチカツ」は、自社でメンチカツの具からパン粉つけまで全部こだわって作っています。チキンカツも既製品をつかわず、鶏胸肉を1枚1枚ひらいてパン粉をつけて手作りしています。だから、おうちでつくったチキンカツみたいな味ですよ。

 ──いや、そこじゃなくて…まず、250円って安いですね。

 安くしすぎたかな…これはもう社長の心ひとつなんで。

 ──名前について聞いてもいいですか?

 名前は、単純に社長・永野の思いつきで。私も「なんでこの名前にされたんですか?」と聞いたことがあるんですけど、「本当に意味はないから」て言われたんで。

 ──そう言われると、もう突っ込めないですね(笑)。売れるようにおもしろい名前をつけてるのでしょうか?

 売れるのをねらっておもしろい名前にしたとかじゃなくて、商品自体は一生懸命作っている部分があるんですよね。材料は九州産にこだわって、できるだけ手作りでつくっています。変な名前にみなさん目がいかれると思うんですけど、地味に努力しているところがあるんですね。その商品をどうやって売ろうかとなったときに、値段もグッと下げて、プラスアルファでお客さんに楽しんでもらいたいというところから名前をつけていると思います。

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