「九十九」…この名字、読めますか? 「百の一つ手前」がヒント…同じ読み方の地名が各地に

日本の難読名字

森岡 浩 森岡 浩

「九十九」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩が日本人の難読名字を紹介します。

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数字だけでできた名字はいくつかあるが、その中では比較的数が多い。また、九十九一というタレントもいるため、読める人も多いだろう。

漢字の百は「ひゃく」の他に「もも」とも読む。「九十九」は百の一つ手前で、次が「もも(百)」であることから「つぎもも」ともいった。この「つぎもも」が短くなって「つくも」となったのが由来である。

古語では、白髪が水草のツクモに似ていることから「つくも髪」といった。一方、漢字の「百」から「一」を取ると「白」となる。ここから「白=つくも」という連想で、「つくも髪」を「九十九髪」とも書いた。

昔は「九十九」と書いて「つくも」という読み方はかなり浸透しており、「九十九山(つくもやま、群馬県)」「九十九橋(つくもばし、福井県)」など、「九十九」と書いて「つくも」と読む地名は各地にみられる。

名字としての「九十九」は西日本一帯に分布しており、とくに広島県尾道市や徳島県鳴門市に多い。なお、九十九一は芸名で、本名は福地隆である。

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