公園に捨てられた子猫…勤務中「危ないので保護したい」と上司に頼み、木に登って救助   

渡辺 陽 渡辺 陽

倉庫街で野良猫が産んだ3匹の子猫たち。公園に捨てられ木の上に登ったが、降りられなくなっていた。なんとか助けられ、それぞれ里親も見つかった。茨城県に住む船場(ふなば)さんは、子猫をリクと名付け育てた。リクくんのそばにいたいので、旅行に行くこともなく猫中心の生活を送っている。

 

捨てられた子猫を捜索

茨城県に住む船場(ふなば)さんは、東京都の会社に勤めていた時、リクくんと出会った。住宅がほとんどない、倉庫が集まっている地域には野良猫がたくさんいて、付近に勤めている人がごはんをあげていた。

2000年6月、一匹の野良猫が子猫を産み、船場さんの勤める会社の前に連れて来た。たまたま子猫たちを見つけた従業員が、倉庫を荒らされては困ると道路を渡ったところにある公園に捨てに行った。船場さんは仕事中だったので、「子猫を放っておいたら道路に出てしまうかもしれない、危ないので保護したい」と上司に頼み、同僚と二人で子猫を探しに行ったという。

木の上にいた子猫たち

公園を探してもなかなか子猫は見当たらなかったが、木の上から小さな鳴き声が聞こえたので見上げると、3匹とも下に降りられず、木の上で縮こまっていた。2メートルくらいの高さの木だった。船場さんは、木に登って1匹ずつ抱きかかえて降ろした。

船場さんたちは、会社の人たちに「里親になってくれないか」と必死で聞いて回った。1匹飼ってもいいという人がいたので、その人に好きな子猫を選んでもらった。一緒に子猫を探しに行った同僚も1匹選び、船場さんは残ったリクくんの里親になった。どの子でもよかったという。

 猫がいる穏やかな毎日

船場さんの実家では犬と小鳥を飼っていたが、猫は壁などで爪とぎをすると言って、飼ってもらえなかった。自分で世話をできるようになったら猫を飼おうと思い、ミューちゃんという猫を飼ったが、リンパ腫で亡くしてしまった。

「最初にリンパ腫を診てもらった病院で、先生の説明に合点がいかなくて、別の病院に連れて行ったのですが、その時、既に手の施しようがなくなっていたんです。そのことが悔やまれて、リクは、もっと勉強して飼おうと思っているんです」

リクくん、子猫時代はカーテンによじ登ったり、植木の土を掘り起こしたり、やんちゃっぷりを発揮した。しかし、大人になるとおっとりした大人しい猫になったという。船場さんは、家でリクくんと一緒にいる何気ない日常を大事にしている。

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