保護したものの家族が猫嫌い!エアガンで虐待されていた2匹の猫、一緒にもらわれ…いつも寄り添って暮らす

渡辺 陽 渡辺 陽

はなちゃんとりくくんは、お寺に捨てられていたところを保護された。しかし、保護してくれた人の家族は猫が嫌いで、そこでは安住できなかった。やがて2匹一緒にもらってくれる里親に出会い、姉と弟仲良く暮らしている。

捨てられ、虐待された子猫たち

2016年12月、兵庫県淡路島にあるお寺に4匹の子猫が捨てられていた。誰かが2匹の猫を車に乗せて連れて行き、後に、残る2匹を保護した人がいた。

保護した人は、子猫を自宅に連れ帰ったが、家族は猫が嫌いで、同居していた息子は子猫をエアガンで撃って虐待した。保護しても飼えないので、保護主は淡路ワンニャンクラブに相談した。

淡路ワンニャンクラブでは、飼い猫が産んだ子猫の受け入れはしていないが、支援が必要な猫は受け入れている。ただ、当時、保護猫を受け入れる余裕がなく、TNRする方向で考えていた。その後、保護主と何度も相談を重ねた結果、子猫たちを受け入れ、里親を探すことになったという。保護主は、不妊手術の費用を負担してくれた。

いつも2匹一緒

子猫たちは生後5カ月くらい、やせて骨が浮き、毛はもつれていた。女の子は長毛で、男の子は短毛、怖がりで、ごはんを食べる時以外は、いつも身を寄せ合っていた。淡路ワンニャンクラブのブログには、できたら2匹一緒にもらってほしいと書かれていた。

淡路島に住む中西さんは、2015年の暮れに15年一緒に暮らしてきた愛猫を亡くしたが、1年経ち、また猫と暮らしたいと思っていたという。

当時、中西さんが勤めている会社では、淡路ワンニャンクラブに古紙を寄付していた。中西さんは仕事の合間に古紙を届けた時に2匹の子猫に出会った。

「目に力があって、寄り添っている姿がとても印象的でした。いままでつらい思いをしてきたので、これからは姉弟一緒に幸せに暮らしてほしいと思いました」

2016年12月、中西さんは、2匹を迎えた。女の子ははなちゃん、男の子はりくくんという名前にした。

なんでもお姉さんの真似をする弟

最初、はなちゃんとりくくんは、怖がってテレビの後ろに隠れていた。近くにごはんと水、トイレを置くと、人がいない時に食べて、排泄した。3日目くらいからはなちゃんがテレビの裏から出てきて、部屋の中を探検した。その姿を見て、りくくんも少しずつ出てくるようになったが、いつも2匹一緒に行動していたという。

「はなのほうが好奇心旺盛で、いろいろなことに興味を持ちます。新しいおもちゃで遊んだり、人に抱っこされたり、淡路ワンニャンクラブにいた時から、はなのほうがりくより先に行動していました。りくは、いつもはなを見て、はなの真似をするんです」

活発なはなちゃんだが、いつもりくのことを気にかけていて、りくくんが来るまでごはんを食べるのを待っていて、違う部屋でりくが鳴いていたら飛んでいくという。

「のびのび暮らしている2匹の幸せそうな寝顔を見ていると、とても可愛くて、愛おしい。これからも大事にしたいと思います」

■淡路ワンニャンクラブ

淡路ワンニャンクラブでは、自ら生きていけない犬猫を1匹でも多く救いたいと保護、里親募集、TNR活動(捕獲、不妊手術、元居た場所に戻す)などを進めている、民間のボランティア団体です。https://www.awaji-wannyan.jp/

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