美しすぎるお菓子の缶がネットを魅了 大阪・老舗メーカーの専門店、缶づくりを通して洋菓子店を応援

山本 明 山本 明

見たこともないような美しい菓子缶の投稿がSNSで注目を集めています。本物みたいなルビーやサファイアの飾りがきらめく缶、白いブーケがいっぱいに広がる缶…。「一目惚れした」「友人にプレゼントしたら感動していた」「パケ買いしてしまう」と皆さん魅了されています。こちらは大阪の老舗製缶会社が立ち上げた専門店「お菓子のミカタ」から、洋菓子店向けに小ロットで製造、販売されているレディーメードの菓子缶です。事業立ち上げの経緯などを聞きました。

大阪製罐株式会社は大手洋菓子メーカーの菓子缶などを作り続けてきた創業70余年の老舗。しかし3代目社長、清水雄一郎さんは2008年のリーマン・ショック後、業績激減に直面。新たな顧客を求め、自ら町の洋菓子屋さんに飛び込み営業に行くも、断られる日々…。数年が過ぎ、自社のHPにオリジナル缶を注文できるサービスを開始。そこであるひらめきを得た、といいます。

―紆余曲折あった、と。

「『菓子缶の製造』が自社の強みでした。が、飛び込み営業を通して個人の洋菓子店が、大手と同じように『缶』を発注するのは初期投資額も最小ロット数も負荷が大きすぎる、と気づきました」

「でもWebでの注文依頼は、業種は様々でも『印刷された缶を100缶欲しい』という声が多くて。そこで僕たちが開発費や在庫のリスクを取ってあげて、洋菓子店に既製の缶を届けたら喜んでもらえるかも、と考えました。テストマーケティングを通し『缶パッケージ』への潜在的なニーズを確信し、2011年に洋菓子店向けのデザイン缶・3缶の販売を開始しました」

缶のデザインは、大阪デザインセンターを通して5社面談し、「1番クセが強そうな」デザイン事務所に制作を依頼。以後、18種類まで増やしたデザイン缶と共に2014年新しく専門店「お菓子のミカタ」をスタート。1番人気の「ビジュー缶」は今まで19万個、次いで人気の「ブーケ缶」は12万個を売り上げました。2018年からは週に2回、東京・恵比寿の「お菓子のミカタ TOKYO KO BOH!!」にて自社の缶を使った全国各地の洋菓子店のお菓子販売を開始しました。

―本当に素敵な菓子缶です。

「ちょっと偉そうですが、気合い入れてこだわって作っている缶なので、それに負けないくらい可愛くて美味しいお菓子を詰めてほしいなって思ってます(笑)」

「缶もお菓子も両方が素敵なモノだったら、絶対それを手に取ってくれた人はファンになってくれると思うので…。今後も『お菓子のミカタ』という名前に沿った活動を続けていこうと思っています」

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