ありそうでなかった!飲料自販機で「お湯」がヒット中 「反響は想像以上」…驚く製造販売元に聞いてみた

黒川 裕生 黒川 裕生

清涼飲料水の分野で今や押しも押されもせぬ人気品目である緑茶飲料(つまりお茶)も、1985年の発売当初は「家でタダで飲めるお茶にわざわざお金を払うなんて」と、なかなか売り上げが伸びなかったというのはよく知られたお話。時は流れて2020年。自動販売機で「お湯」が売り出され、一部でホットな反響を呼んでいます。お湯ですよ、お湯。無色透明無味無臭の水を加熱した、あの温かい液体のことですよ。「タダで飲める」という意味では、お茶どころの騒ぎではありません。製造・販売を手掛けるチェリオさん、一体どういう勝算が?担当者に伺いました。

―なぜお湯を販売することになったのですか。

「そもそも自販機にはホットの500ml入りペットボトルが少ないことから、大容量を楽しんでいただこうと、500ml入りのお湯、ほうじ茶、ブラックコーヒーの3品を新たに発売いたしました」

「お湯のターゲットは、冷たい飲み物を避ける傾向にある『美容や健康に気を使われている方』、普段からホットドリンクの選択肢が少ない『カフェインを控えている方』などを想定しています」

―反響、手応えはいかがですか。

「ご好評をいただいております。『お湯めっちゃ嬉しい!』『お湯が自販機にあったら買うのになあと思っていました!』といった嬉しいお声が届くなど、反響は想像以上でとても驚いています」

―パッケージデザインなどで力を入れた点や工夫したことはありますか。

「コールドでも販売できるデザインや、天然水らしくみずみずしいデザインも検討しましたが、『温かいお湯』ということを分かりやすくするために、現在のデザインにいたしました。『Love 湯~』と『Love You』を掛けて、ロゴの下に白い余白を設け、大切な人の名前を書けるようにするなど、楽しんでもらえる工夫もしました」

―数量限定とのことですが、終売後の展開については。

「今後の展開については、販売実績を見て検討する予定です」

チェリオによると、「天然水ホット」(つまりお湯)は、鈴鹿山系で濾過された水源から採水したナチュラルミネラルウォーター。同社の自販機で、50℃程度で保温販売している。自販機のサンプルに「ただのお湯です(無料じゃないよ!)」と書くセンスが頼もしい。清涼飲料水の常識を覆したお茶の再来なるか。ち湯うもくしたい。

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