お母さんが消えた…ベランダに残された野良猫3兄弟を保護 死産を経験した先住猫が、新たな母親代わりに

渡辺 陽 渡辺 陽

 

猫好き夫婦の石井さんが住むマンションのベランダに、隣のお寺のお墓からお母さん猫と3匹の子猫がやってくるようになった。お母さん猫はどこかに行ってしまったが、残った子猫たちは無事捕獲、我が子として可愛がっている。

野良猫3兄弟

千葉県に住む石井さんはマンションに住んでいたが、隣がお寺のお墓で、野良猫がたくさんいた。家のベランダとお墓を行き来している猫もいた。

2011年11月、お母さん野良猫が3匹の子猫を連れてくるようになった。ごはんをあげようとしたり、窓のカギを開けようとしたりすると慌てて逃げて行った。石井さんは、ベランダにごはんを置いたが、3、4回来るとお母さん猫の姿が見えなくなった。子猫たちはベランダで寝泊まりしていたが、警戒心が強く、出て行こうとすると逃げてしまった。

石井さんは、なんとかして捕獲しようと窓越しに猫じゃらしを振ってみた。最初は知らん顔をしていたが、家の中にいる猫たちが楽しそうに遊ぶのを見て、だんだん興味を持ち始めたようだった。石井さんは、窓を開けたまま猫じゃらしを振って、少しずつ子猫たちの気を引いた。 

捕獲作戦成功

子猫たちが家の中に入ると同時に急いで窓を閉めたら、一斉にパニックになった。猫じゃらしどころではなく、シャーシャー言いながら逃げ回っていた。石井さんは、あらかじめ飼い猫を別の部屋に入れていたが、威嚇する声は聞こえたかもしれない。

翌日、魚をすくうような網で子猫たちを捕まえ、キャリーに入れて病院に行った。生後5カ月くらいだった。検査をしたが健康だったので、他の猫たちと合流させた。

名前は、ごまくん、きびくん、みたらしくんにした。

お母さん代わりだったくろたんごちゃん

先住猫の中に、ひときわ母性の強いくろたんごちゃんという猫がいたが、きびくんはくろたんごちゃんのおっぱいを吸って甘えていた。母乳が出るわけではないのだが、大きくなるまでしばらく吸っていた。くろたんごちゃんも嫌がらずにそのまま吸わせていて、子猫たちの面倒をみたがった。

くろたんごちゃんも隣のお寺からベランダにごはんを食べに来ていた猫だった。ある日、死んだ子猫をくわえて窓辺のところに置き、ニャアニャア鳴いていた。死産だったのかもしれない。死んだ子猫は、見たことがないくらい小さな猫だった。

「くろたんごは白血病のキャリアだったので死産したのかもしれません。死んだ子猫を放っておかずに連れてくるような子だったので、母性が強いんじゃないかと思います」

みたらしくんたちは、他の猫ともすぐに仲良くなり、3匹でおだんごになって寝ていた。

「自分のほうから人の膝の上に乗るのは平気なんですが、人が抱っこしようとすると嫌がるんです。怖い思いをさせたくないので、自由にさせています。ブラッシングは大好きなので、いいコミュニケーションツールになるんですよ。ブラシを持つと3匹とも集まってきます」

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