空が青いのと海が青いのは理由が違う…簡潔に説明することはできますか?

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 冬の青空は澄み切ってきれいですね。でもこれは京阪神だからの話で、北陸や日本海沿いの地方では、冬はほとんど曇り空。北陸に住む人がこちらに来て、冬の青空を見ると驚かれます。

 さて、少年探偵が活躍する有名なアニメで「空が青いのと海が青いのは理由が違う」というセリフが出てきます。これ、事実なのですが、スラッと説明しろと言われるとなかなか難しい。できるだけわかりやすく解説してみましょう。

 空気には青い光を曲げる「散乱(さんらん)」という性質があります。大気中には小さな微粒子が浮遊しており、その微粒子に反射して光が散乱されます。このとき波長の短い光のほうがより強く散乱されます。青い光は波長が短く、赤い光は波長が長いので、青い光ほど散乱される量が多いのです。さらに昼間は太陽が真上にあるため、太陽光が大気を通る距離が短く、青い光が適度に散乱するため、空は青く見えるのです。

 海が青いのは別の理由です。水の分子は赤い光を吸収します。逆に青や緑の光は散乱しやすいので、海の中で吸収されず表面で反射します。このため、海は青く見えるのです。海の深いところは赤い光がないので、魚の色が赤いと敵に見つかりにくいのです。深海にすむ鯛などの魚が赤いのはそういう理由なんですね。

 ちなみに朝焼けや夕焼けが赤いのは、太陽が地平線に近い時間帯で、太陽光が大気中の長い距離を進んでくる間に、青い光が散乱されすぎて弱くなり、赤い光だけ私たちの目に届くからです。都会のほうが夕焼けが赤いのは、都会の大気には微粒子が多く含まれ、青い光の散乱がより多く起こって、強い赤色に見えるのです。もしお子さんに訊かれても、これで説明できますよね?

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