一時預かりボランティアをするつもりが子猫の里親に…最後に迎えたのは人気のない「サビ猫」2匹

渡辺 陽 渡辺 陽

 

広島県に住む清水さんは、歴代7匹の保護猫と暮らしてきた。自身の年齢も考え、新しい猫は迎えない、猫の一時預かりボランティアをしようと思っていた。しかし、最初に来た猫は人気のないサビ猫で、なかなか里親さんが決まりそうになかった。清水さんは、最後に2匹のサビ猫の子猫を迎えることにした。

一時預かりボランティアをするつもりが

清水さんは、外猫のシロちゃんを家猫にして以来、7匹の保護猫と暮らしてきた。新しい子猫を迎えるたびに、出産経験のあるシロちゃんがお母さん猫の代わりをしてくれたが、2017年2月にシロちゃんは18歳で亡くなってしまった。

保護猫と暮らすうちに保護活動をしているボランティアさんとも仲良くなった清水さん。シロちゃんを亡くし、自身も58歳になったので、もう新たに猫を迎えることはない、預かりボランティアをしようと思っていた。

知り合いのボランティアさんは、主に倉敷の保健所から猫を引き出している。倉敷の保健所では、保護したらすぐにワクチンを注射して健康管理をして、譲渡にあたって3つの条件を出している。ひとつはペットを飼える住宅に住んでいること。もうひとつは、完全室内飼いをすること、3つめは時期が来たら不妊手術をすることだ。手術が完了したら、獣医さんに証明してもらって、証明書を倉敷保健所に送らなければならない。

一時預かりをしようと思っていた清水さんだが、縁あって倉敷の保健所出身の子猫の里親になることになった。 

人気のないサビ猫の子猫の里親に

2017年7月、子猫が家に来た時は、里親さんが見つかるまで預かるだけのつもりだった。サビ猫だった。清水さんにまとわりついて、よじのぼってきて離れなくなった。

「それは可愛くて、里親を探しているのなら、この子は私が引き取りたいと言ったんです。他の猫が大人猫だったんで、もう1匹サビ猫の子猫はいますか?と聞くと、たまたまいたので2匹迎えることにしたんです」

サビ猫は柄が気持ち悪いという人が多く人気がない。案の定、問い合わせもなかった。

清水さんは、1匹をアイちゃん、もう1匹をサビちゃんと名付けた。

清水家の猫は、13歳のゴマちゃんとチャコちゃんを筆頭に6匹いたが、みんな新しい子猫が来ることに慣れているので、すんなり受け入れてくれた。

新たな猫とのかかわり方

2歳になったサビちゃんとアイちゃん。他の猫たちと一緒に寝ることが少なく、2匹一緒にいることが多い。寝る時は、必ず2匹寄り添っている。8匹の猫のうち、サビちゃんだけは人懐っこくて、お客さんが来ると他の猫は隠れてしまうが、サビちゃんは人にまとわりつく。

「8匹の猫との暮らしが普通になっています。甘えたい時は甘えてくるけど、普段は、思い思いに過ごしています」

サビちゃんとアイちゃんを迎えた清水さんだが、一預かりボランティアもしている。

「貴重な機会をもらって感謝しているんです。毎年、毎年子猫を預かって、遊べるなんて、こんな嬉しいことはない。苦労とかまったく感じないんです」

猫の一生は長い。責任を持って飼える年齢を過ぎたら、自分で飼うのではなく預かりボランティアをするという清水さん。新たな人生が始まろうとしている。

 

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