3年間毎日描き続けた高校生画家のすごすぎるビフォーアフター 本人は「まだまだ」と謙遜

黒川 裕生 黒川 裕生

「3年間ほぼ毎日絵を描き続けた結果。」

という短いコメントと共にTwitterに投稿された2枚の画像が、大きな注目を集めている。1枚目は、投稿主の長靴をはいた猫さん(@erumo_0384)が中学3年のときに描いた猫の絵。そしてもう1枚は、3年後に描いた写真と見紛うばかりの猫の精緻な色鉛筆画だ。「継続は力なりとはまさにこのこと」「いや、いくらなんでも上達しすぎやろ」などと、多くのTwitterユーザーに衝撃を与えた長靴をはいた猫さん。以前から驚異的な画力でTwitterやInstagram界隈を騒がせ続けており、写実的な作品を得意とする色鉛筆画家4人でつくるユニット「イロドリアル」のメンバーとしても活動している。

話題の画家は京都の現役高校生

「中の人」は京都の高校3年生、安部祐一朗さん。昔からメイクアップアーティストになりたいという夢があり、色の濃淡などについて学ぶ一環として、中学3年生の頃から独学で絵を描くようになったという。

「最初は別に毎日描こうというつもりは全然ありませんでしたが、気づけばいつも描いているような感覚です。遠出しているときや、どうしても描けないとき以外は、最低でも1日1時間、長いと8時間くらい家で描いています」

中学時代の作品も決して拙いわけではない…というより、よく見ると水面に映り込んだ猫の表現などは、早くもただならぬセンスを感じさせる。しかし、3年後の絵の完成度があまりにもとんでもないことになっているため、並べて比較するとそんな印象は完全に吹き飛んでしまうのだ。

あくなき向上心「ここはまだスタートライン」

改めて、これだけ劇的に変わった絵を見て、本人はどう感じているのだろう。

「今までは『見本と比べてここが違う』というネット上での指摘を受け、上手くなろうと描き続けました。ですが今では『写真でいいじゃん』というお声までいただけるくらい上達できたのだと嬉しく思います」

「ですがここでゴールではありません。自分の中では3年間でこの程度しか変われなかった、と思う部分もあります」

な、なんやて…?

「今回の2枚を見て『継続は力なり』と言ってくださる方もいますが、自分の中では『継続は力なり』を体現できているとは思いません。まだスタートラインに立ったに過ぎないのです。この基礎を生かして、今後は色鉛筆作品もメイクアップの方でも結果を残し、進み続けます」

実際、毎日絵を描いているうち、一皮むけたと感じた瞬間はどこかであったのだろうか。

「自分の中では、高1の終わり頃が最も変わった期間だと思います」

「それまではこんなに話題になることもなかったのですが、高1の最後に、自分の色鉛筆画がSNSで話題になり、初めてテレビに出演することになりました。非常にプレッシャーを感じましたが、期待を裏切らないよう今までにないほどの根気で制作に向き合うようになったのが大きいと思います」

「今までにない機会が、自分を成長させてくれました。ちなみに、その頃の題材は宝石などの静止物が多かったですね」

3年間、毎日毎日絵を描き続けていたら、これだけ上達できる(かもしれない)ということに励まされた人も少なくないと思いますが…。

「そういう方々には、中学のときの塾の先生の言葉を伝えたいです(笑)。『成功にはなんのトリックもない。ただほんの少し人より努力すればよい』」

突然の塾の先生。

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